主に仇名すゴールドクレスト


「かわいいなー。いっぱい葉っぱ出ろよ〜」と、せっせと水をやり栄養をやり太陽にあてと愛でておったゴールドクレストである。やや下のほうで葉枯れてきたりとかはあったにせよ、それなりの姿を保ってくれて愛いやつじゃ。と思っておったのはおとといまで。
おのれーっ!! おぬし何をしとるんじゃ!!
最近葉っぱの成長がとまってどーしたのかなと心配していたら、葉の先がぽこぽこと膨らんできよった。なんじゃこりゃ。調べて判明。へー、花なのかぁ。そしてもう一つとんでもないことが判明したのである。
「おぬしコニファーなんぞと英語でごまかしちょるからアタシはすっかりごまかされておったが、なんとコニファーっちゅーのは杉か(もっと早く気づけよ>俺)。その花からやがて放出されるであろうは、ま、まさか、あの憎っくきスギ花粉かーぁっ!! おのれおのれ、飼い犬に手を咬まれる、主に仇名すとはまさにこのこと。恩知らずめっ!」
「いやいや、お待ちくだしゃれ。ゴールドクレストに悪気はないのです。愛でてくれるから一生懸命小さいながらも花を咲かせて一人前であるところをみせようとしとるのです。たぶん、おそらく」
「それはいかにも。しかし、そのまま放置して花粉を部屋中に充満されたらきっと憎むことになるであろう。今まで愛した分余計にその憎しみは深く…ああっいかにせん」
という煩悶の末、共存共栄のために涙を呑んで花の芽をすべて手作業でつませていただきました。「ごめんよー。許しとくれよ」と謝りつつも、容赦なく。するとなんとしたことか、最近伸び悩んでいた新芽がひょこひょことアチコチから顔を出すようになってきた。そうか、葉にまわす栄養がすべて花に行ってしまっていたんだね。花を摘んでしまうのは意外とゴールドクレストにとってもそれほど悪いことでもなかったのかもと罪悪感もやや薄れめでたしめでたし。
しかし毎年このちまちました作業をやらにゃいかんのかと思うと…とほほ。なのでした。