ひな祭り

大内塗りのおひなさま


十数年ぶりに雛人形をタンスの奥からひっぱりだして飾ってみました。山口県の大内塗人形です。山口は母の出身地。物心付いていたころから持っていたものですが、塗りものってこうまで古びないものなのかと。箱や梱包資材や栞などは古びているのに、人形だけはまったく新品同様でピカピカしております。まるきり古びないというのも物足りない。経年変化がもたらす侘びさびというものがないと、長々持っていた喜びが少し薄れます。
さてせっかくお雛様も飾ったので、それらしいご馳走も用意してみました。ちらし寿司、豆鯵のから揚げ、しじみの味噌汁、サラダ。え、それらしいのはちらし寿司だけ? まあそうかも。汁物は定番のハマグリにするつもりでしたが中国産かつ割高で、売り場の隅にひっそりとあった宍道湖産のしじみのがうまそうで、実(じつ)をとりました。ちらし寿司はミツカンの元を混ぜただけ、豆鯵はお惣菜とかなり手抜きですが、いいのです。一人暮らしでそんなにてまひまかけてられませんって。
ちらし寿司はまあそこそこの味わい。鯵はウマー。秀逸だったのがシジミ汁! 「うああ〜なんだこれはぁ…」うなるほど激ウマでした。ふくよかな味わいって言うんでしょうか。シジミもよいものでしたが、実は昨日、金沢の味噌蔵中六商店の味噌をば買っておいたのです。生(き)のままなめると今まで使っていた味噌よりもだいぶ「しょっぺー」。なので味噌汁にはだいぶ控えめに。するとシジミのうまみを殺さず、マイルドに包み込み、なんともウマし。ううっ、味噌汁ってこんなにうまかったのか。味噌汁のよさを再認識したひな祭りでした。
ん、ひな祭りってこんなんでよかったんでしたっけ?