湯河原一泊二日旅(3)


まだ続いてたのかって? はい、続いてました。2日目のランチのことを書かないと終われません。湯河原駅前にはめぼしいお店もなく「熱海ならも少し都会だから小洒落たものが食えるハズ」と一駅隣へ移動して熱海でランチをとることにしました。

  • 駅デパートの『磯也』

熱海駅には駅デパートという名の、駅ビルというのもおこがましいおみやげ物屋街がくっついています。新幹線や踊り子までの時間つぶしに物色するのにとても便利。でも、その中二階にレストラン(つーか食堂)があるからって、そそられはしませんよね。こんなとこで新鮮なお魚とかウマイもんが食べられるはずないとか思う。だから「駅ビルなんて絶対やだー」と駄々をこねたアタシでしたが、時間がないのでやむなく中二階の食堂『磯也』へ入ることに。ちっ。
入り口からしてざっくばらん。内装も実質的で店員さんはせわしない。メニューを開けば「観光地のくせにぼってない」リーズナブルさで、深く検討もせず「期待はしてないけどせっかくだから」とアタシはお刺身定食、母は桜海老掻き揚げ定食を注文。「暖かいのと冷たいのできますが」「暖かいのを」。定食には蕎麦が付くのですね。ふーん。
料理がくるまでしばしご歓談。「ご飯の代わりが蕎麦だったらどうしよう」「私はてんぷらだからそれでもいいけど」「蕎麦で刺身を食べるなんていやだー」。その合間にもどかどかとプラスチックの器で小鉢が供され、なにげなくつまみ、「あれ、これウマイじゃん」「この鰤(の煮物)も美味しいわ」。特に岩のりは絶品で母はアタシの小皿にまで手をだして「ちょっと待てー!」。そうこうするうちに刺身がどーん。大き目のお皿に鯵、鮪、イカ、カンパチなどが盛られています。ご飯もついてました。よかったー。鯵は生き作り風に骨のお飾りつき。「一人分にしては多いね」「それにみるからに新鮮だわ」。で、一口食べて「おいしーっ!」。鯵のぷりっぷりなことといったら。アタシはいままでこんなに弾力のある鯵を食べたことがないかもしれないってぐらいの、鮮度のよさ。今泳いでました!っていう筋肉の存在を、舌で知ることがあろうとは。磯也、おぬしやるなー。
そしてちょっとした驚きのおまけ。定食がひととおり出揃って既に十分すぎるボリュームなのに「後、カモが来ますから」。カモってなに?と首をかしげながらも「はい」と応えるアタシ。聞き間違えか、いい間違えか。いいえ、カモは鴨。なんとお刺身定食には鴨のスモークも付くのでした。なにゆえに? そしてこれがなかなかウマイとくるからさらに不思議感は高まります。
味も量もかなり満足。それでいてお会計は二人合わせて昨日のおすし屋の一人分にも満たない安さも嬉しい。「昨日のすし屋もこれぐらい鮮度のいいのだしてほしいわよねぇ」「むりむり」などと口々に。
ややコンセプトが不明なとこはありますが、お客様に鮮度が良くて美味しいものを食べてもらいたいというポリシーはひしひしと伝わってくる。とても気に入ったのでこれから熱海に行ったらランチはここにしようと決定。ちなみに商店街のほうには支店があり、そこは少しお店も洒落ているみたいです。そちらも試してみたいなぁ。
以上、湯河原旅行レポでした。買ったばかりのガイドブックを行きの電車の中に忘れたり、マズメシにあたったりと、谷もありましたが振り返ってみると楽しいことも多かった。湯河原方面へ旅行される方の参考になるとよいのですが。