節分


いやー、すごいね。恵方巻
騒動といってもいいぐらいの盛り上がりじゃないですか。ご近所のスーパーの惣菜売り場のほとんどが恵方巻で埋め尽くされて兆しを感じ、さらにデパ地下に赴けば、「列は階段のほうに最後尾がございますぅー!」などという誘導の声がして異様な熱気と行列。人だかりの中心にやはりてかてかした黒い棒状の物がてんこ盛り、で、飛ぶように売れてゆく。遅れをとりたくなくてアタシも並びたく…いやいや、やめとこ。それにしても圧巻。あっちの店もこっちの店も少しでも和食に触れている店はどこもかしこも恵方巻を店頭に。さすがにステーキ弁当やトンカツ弁当に特化したお店は恵方巻を並べるわけにもいかず、客も寄り付かずでつまらなそうにぼーっとしていたのが印象的でした。
いつからこんなに「節分の日は恵方巻」が定着したんでしょ。去年もこんなん? 少なくとも子供の頃に聴いたことありません。20代後半、職場で、
「今日は節分だから夕食は太巻きなの」
「…なんで?」
「節分の日には恵方を向いてまるかじりする習慣なんだけど、え、やらない?」
などという会話を経てようやくそんな風習もどこかにはあるんだとおぼろに認知。その後も他の人から特別そういう話を耳にせず、もちろん己も追従することなく。なのになぜにこんなにみんなが、恵方巻にたかっておられるとっですか。たぶん去年ぐらいからぐわーっと盛り上がっているような。アタシの感覚によれば。
2月のバレンタインのチョコレート騒動もやや下火かなーと思ったら、今度はこれ。土用丑の日には鰻、クリスマスにはチキンレッグ、日本人ってのは皆で同じものをいっせいに口にするのが好きなのね。というよりは誰かに何か目標を決めてもらってそれに頑張るのが好きなんだね、おそらく。
さて「ナタデココ」「カヌレ」「エッグタルト」は流行墓場に消えてしまいましたが、鰻、チキンの成功が「この日だけ!」という限定性&お祭感にあるとしたら、恵方巻も定着しそう。巻寿司にかぶりついてるだけなら平和でよいので特にどうこう言うようなことでもないんでしょうが、なんかヘン。