ドラマ『神はサイコロを振らない』


10年前に消息をたった旅客機が10年後にタイムスリップして現れる。乗客乗員はすべて10年前の姿のまま…というSFタイムスリップもの。
安いコメディ演出はいったい何なのよ!? だいなしー。せっかく芝居のできる役者が揃っているっていうのに、なんであんなふうに安くするかなあ。おかげでリアリティがそがれて…そりゃSFだからタイムスリップだから、もともとリアリティはナイっちゃナイ。そこをいかにホントらしくみせ、いかに客をだまして乗せるか、じゃないのか? だからこその地味で粒ぞろいのキャスティングじゃなかったのか? あっそう、なかったのね。がっかりだわー。と思ったのが前半ね。
後半はわりとよかった。でも、状況の異常さに対しての周囲のリアクションや航空会社の対応に緊迫感がなさすぎるよー。柔硬のバランスが悪く、全体的にはちぐはぐ。部分的にみれば、いいとこはあったのにね。役者ベースでいえば、「女の18から28と、28から38の10年は違うのよ」とぼやく小林聡美、「アタシたち生きているね〜」と泣く戻ってきた客室乗務員・ともさかりえ、「これで終わりじゃないんですよ。大変なのはこれからなんです」と重々しく宣言する遺族会代表・尾美としのり、「君たちが冷静にならなくてどうするんですか」と沈着に一喝する航空会社部長・岸辺一徳、などなど。でもタイムスリップを予言した元東大教授・大杉蓮の芝居は、やりすぎでうざい。もう少し研究家然とした落ち着きがほしい。演出の問題だが。他の役者の見せ場は各回でそれぞれにスポットをあてて描くことが想定されてて期待度かなり高し。ベンガル成海璃子には特にわくわく。というわけで腐したわりに来週も見ます。