[『グリーンカード』

女は温室つきの家に住むため、男はグリーンカードを手に入れるため偽装結婚をする。入国管理局の査問のために、2日間の同居をしてみるが…大人のラブストーリー。
この映画は昔からすごく好きでまた見たいなあと思っていたらたまたま図書館にあったので借りてみました。過去の印象を紐解くと、

  1. 温室つきのアパートメントが素晴らしい!
  2. アンディ・マクダウェルがとても魅力的
  3. 未来を予感させるハッピーエンドに感動

だったけれども、10年以上経って見返してみるとちょっとずれが生じてるもんですね。
まず、温室つきのアパート。確かにすごいコダワリの高級アパートです。ちゃんとエントランスには受付の人(なんていうんだっけ?)がいて、壁面は年季の入ったオーク(たぶん)で覆われ、行き届いたメンテナンスで黄金色に輝き、個室の扉をあけるとすぐ階段で部屋は中二階というおしゃれなつくり、天蓋つき温室に雨のシャワーを降らせるとまるで別世界、そのうえ屋上からのNYの眺めも素晴らしいときた。こんな素敵な家に住めるのならば戸籍の上での結婚ぐらい…なんて思っていたけれど、今はそんなにそそられず。だって絶対ゴキブリがでそうなんだもん。ロマンよりも、アタシはゴキブリなしを選びます。
2つ目、アンディはやっぱり素敵。でもジェラール・ドパルデューのほうが今のアタシには魅力的にみえてしまいました。ぶちゃいくだなー、と思いながらも、ときどきいたずらっ子のようにきらめく眼とか、いいねえ。見た目難ありでも、包容力のある大人の男性の魅力に気付けるぐらいアタシも成長したってことね。
3つ目。さてこれはハッピーエンドなのか? 確かに二人の気持ちは通い合った。しかしたった2日間一緒にいただけですぜ。今は「こんなタイプはアタシの周りにいなかったわ」なんて盛り上がっているけれども、実際にもっとちゃんと結婚生活を送ったらどうなるのか…。下世話な話ですが、この二人は2日間同居しててもベッドは当然別。菜食主義者で鶏の餌(@ドパルデュー)をついばむアンディは匂いがなさそうですが、バター大好き! 楽しむために生きてるんだ!!という享楽的フランス人は体臭が強烈そう。アタシならガマンできないなあ。そして男は強制送還されちゃうわけで、今後米国への入国は不可能。するってーと、どうなるんだ。女はフランスに行くのか? 案外このまま分かれて文通だけして暮らしそうかも、なんて思ってしまったのでした。