『1リットルの涙』最終回


うう、目が痛い。初回からずっと見続けて、今までにいったい何回泣かされたことか。最終回だけでも5ミリリットルぐらい泣いたと思う。不謹慎な言い方ですまんが、ほんとにそれぐらい泣いたのよ。
脊髄小脳変性症という不治の病に侵されて25歳でなくなった実在の女性、池内亜也さんの日記に、多少のフィクションを交えて再構成されたドラマです。ごく普通の明るい高校生亜也は、近頃なにもないところでいきなり転ぶことが多くなった。病院で精密検査を受け、難病を宣告される。運動機能の麻痺と確実に迫る死。「やがて歩くことも話すことも食事をすることもできなくなります。そしていつか自発呼吸することさえも。今の医学では治療方法は残念ながらありません」。実際の病気の進行は予想以上に早かった。日ごとに麻痺が進行し、部活をあきらめ、普通高校に通学することを断念し、生活することさえ徐々に困難になっていく。
どうして病気は私を選んだの
病気の宣告を受けたとき日記に記した言葉。本当に、どうして?と、ドラマをみながらアタシも何度も何度もこの言葉を思い返してました。どうしてこの子なんだろう、どうしてアタシじゃないんだろう? つらすぎて途中でほかのチャンネルに避難しちゃうことも正直ありました。ごめんね、根性なしで。でもスタッフや出演者の誠実さが伝わってくるドラマでしたよ。
亜也役の沢尻エリカちゃん。とにかくめちゃくちゃ可愛い、で、上手い。特にナレーションにはね、ああ、泣かされたなあ。澄んだ声が胸につんとくるんだ。で、いいとこでまたあの曲がかかるんだもんなあ。
 こなぁ〜〜〜〜ゆきーーーっ♪
あれはもう必殺でした。条件反射ができちゃったから、街でこの曲を聴くと胸が痛くてつらいです。
遥斗役の錦戸君もよかったね。彼の物いいたげな深い瞳と不器用な優しさとぶっきらぼうな男らしさに、きゅん。かなり夢みちゃった。ちょっと少女漫画はいってたもん。ドラマ化にあたって亜也さんのお母さんの、亜也ができなかったような恋をさせてあげてください、という願いから作られたキャラクターですが、ものすごく存在感がありました。
この二人の恋の行方はどうしたって行き止まり。だけども、せめて亜也ちゃんがもう少し元気なうちに気持ちを伝え合ってちゃんと恋人どうしになれていたらよかったのに。だから最終回でキスぐらいは…と淡く期待。ラブストーリーじゃないからそーいうことを期待すんな!と怒られちゃうかな。亜也ちゃんにとって彼の存在が慰めになったという安心感を少しでも得たかったのよ。
陣内の父ちゃんは、その実直さと開けっぴろげさが陰鬱さの救いに、そして薬師丸の母ちゃんは娘の支えになっていました。
ラストシーンはちと心残り。
一周忌にお墓参りにしている両親と主治医。そこに遥斗の姿がない。「なんで居ないのっ!」とアタシ。さびしかったなあ。きっと彼が実在しない人だからなんだ、ドラマの真のメッセージを逸らさないための節度なのよね、と解釈してしぶしぶ納得しようとしているけど…でもぉぉぉぉこなぁぁぁーゆきーーっ♪ 切ないよー。