フラメンコ発表会鑑賞


秋分の日、友人に「友達がでるので」と誘われてフラメンコの発表会を鑑賞しに新宿へ。会場はエル・フラメンコ。
フラメンコ教室の有志が集まり定期的に開いている会で、15人ほどの参加者が次々と鮮やかな衣装でソロを披露する。教室の発表会と言ってもかなり本格的でレベルが高い。歌や演奏はもちろん生。男2名がフラメンコギターに合わせてソロごとにかわるがわるに歌いあげる。これが素晴らしく巧い! 一見するとわりと若めの日本人男性だが、おめーら日本人じゃねー!というラテンなムードをお持ち。プロだそうだ。日本でラテン歌手がプロとして食べていけるのか…その裾野の広がりに驚く。
一組だけ4人での演舞があり、それ以外はみなソロで踊りを披露する。4人の演舞ははじめて1年ぐらいの初心者もいるようだが、ぎこちなさはまったくない。村祭りのような雰囲気で華やかでたいそう楽しそう。
ソロは一人約8分、その間もちろん休むことなく躍動的なダンスを続ける。その運動量はかなりのもの。これをやったら、肉体のゆるみなんてなくなるね。キュッと締まるトコはしまって持ち上がるトコは持ち上がりそう。
衣装はさすがラテン系、かなり派手。「この色にこの柄を合わせて、げ、さらにこんなとこにカラフルな水玉のフリフリをこんなにもつけるのかいっ!?」。熱帯の海の中にヒントがありそうな、あるいはお前は毒虫か!?と思わせるような色合い。侘び寂びアースカラー信仰のアタシはまずギョッとする。しかしほの暗い舞台で情熱的なダンスをするには、思い切りがよいほど派手なほうが映える。なるほどスペインの情熱が伝わる。みなさんほとんど手作りされるそうだ。
派手な中で逆に「おっ」と思わせる、真っ白な衣装のダンサーもいた。日本人離れしたくっきりとしたお人形さんのような顔立ち、スレンダーなのにほどよく肉感的な体型の彼女にはまたそれが似合っていた。かなり美人。綺麗。
友人の友人の衣装もこれまた「ほぉ」と思わせ、目をひいた。黒をベースに和服の柄物の布を合わせた、唯一オリエンタルな香りのする意外なほどシンプルでシックなドレス。小さな頭、細くて長い手足がスラリとのびた上背のあるYさんにはとても似合う。「孤独」というテーマのダンスを踊る。同じテーマのソロは他にも2名いらしたが、それぞれにまったく違う。フラメンコには個性がでる。他のダンサーが甘やかだったのにくらべ、大人の女性のビタースイートな雰囲気。かっこいい。ダンス歴10年の貫禄。
楽しそうだなあ、やってみたいなぁ。などとすぐに浮かされやすいアタシは、さっそく家でタウン新聞をめくる。お、近場で生徒募集を発見。よくみたら、「ふっ、フラ…ダンスか」。まあ、腰は締まりそうだが。いつものように一過性の熱で終わりそう。