マニアだったら…


築地ドットコムからブドウを贈ったら、昨夜母が「着いたよ。おいしかったよ〜」と電話をくれた。話のついでに、「そうそう、昨日は筑波新幹線に乗ってきたのよ」と言う。
「(なんだよ新幹線って)筑波エクスプレスのこと?」
「そうそう、それそれ。武蔵野線で流山なんとかって駅で乗り換えたら、23分ぐらいで着いちゃったわよ」
「って、何処まで行ったの?」
「終点までに決まってるじゃない」(いつ決まったんだ?)
「へー、そこになにがあるの?」
「ショッピングセンターとかいろいろあったよ。パフェ食べて、お惣菜買ってきました」
「ふーん。良かったじゃん。初日じゃないから電車ももうそんなに混んでなかったでしょう」
「初日じゃない……」(と言葉を濁す母)
「ん、なに?」(地雷を踏んだかしら?)
「いつもは初日に行くんだけども、もう歳だから疲れちゃう(と淋しそうに)」
「え、どーいうこと?」
「○○も××もなんとかかんとかも、、、全部初日に乗ったのよぉ」
「なにを鉄道マニアみたいなことを」
「そーよ、マニアなのよぅ。知らなかったの?」
「えーと、そうなんだったっけか……(し、知りませんでした)」
それから母は、県内の電車で乗ったことがない路線はないとか、どこどこのSLに乗るためだけにわざわざ出向いたなどの過去をあれこれ得意そうにまくし立てたのでありました。
「JRの大人の休日倶楽部に入ろうと思って葉書書いたんだけど、今日一日中持って歩いて出し忘れちゃった、んふふー」
老いてなお好奇心と行動力にあふれる彼女……ま、喜ばしいが、マニアがエクスプレスを新幹線って言っちゃいけないだろうと思うのであった。