夏ドラマは駆け足でやってくる(5)

阿部ちゃんはいいねえー。タッパと面力(づらぢから)があるので、こういうカリスマチックな変人役をやると、まわりの磁場がきゅーんと彼に集まるよね。間合いの取り方や、台詞回しの強弱に、アタシはいちいち「うーん、うまいねえ」と心の合いの手を入れておりました。破産寸前の超バカ高校を立て直すため超進学校にすべく初年度東大合格5名を目標にかかげるだなんて、なんともはやあまりにも安直かつ荒唐無稽。しかしもしかしたらこの男ならやりかねない(かも〜)といった錯誤をおこさせるのも、阿部ちゃんならではですな。つくづく不思議な男だ。
世の中は頭のいいやつが住みやすいように、頭のいい奴に都合のいいルールのもとに運用されている。そうしたルールをつくるのは頭のいい奴らなので、いつまでたってもバカは底辺を這い回るだけ。と言われてみれば、そうなのよね。都心部の大学がつぎつぎと郊外に転居していくなか、東京大学がいつまでも本郷の一等地で広大な敷地を確保していられるのも(これ、かなりムダだと思う)、そりゃ避難場所やヒートアイランド対策としてはいいかもしれないけれども、結局は三四郎池だの講堂だのに郷愁を感じている官僚連中(の東大派閥)が、それを残しておきたいと影に日向に圧力をかけるからでしょう。今年から個人事業者になったので確定申告をしたんですが、そのときにも頭のいいやつは得をするようにできているというのを実感しましたね。例えば、アタシの隣の席の奴、頭のいい奴なんですが、アタシの倍ぐらい年収があるにもかかわらず、これから数年間は税金0なんです。このからくりってわかります? 不動産を処分したときの含み損が数千万円あったので、それを損失として計上すると、実収入と相殺して、課税所得は0になっちまうんですね。なんかものすごーく腹が立つ話じゃありません? そもそも数千万円のソンをする物件を持っていたほどの金持ちってだけでも腹が立つのに、ぷんぷん。やっぱ世の中は頭がよくて世渡りのうまい人間だけが得をする、頭が悪くて人のいい正直モンはソンをするようにできているのです。
そうだ、バカとブスほど東大へ行け! ブスは・・・よくわかりませんが(ということにしておきます)、アタシもその思想には同感です。できれば高校生のうちにこの思想を吹き込んで欲しかったわ。でも阿部ちゃん先生いわく「そんなことを教えたらそれこそ社会の仕組みが根底から覆って大変なことになるから、教えないような教育方針になっている」ということなんでしょうが。あーあ。
ドラゴン桜っ、来週も見るぜ!