花に埋もれた亀井静香


6月27日から7月3日の一週間、国際フォーラムB1ロビースペースで亀井静香の油絵展を開催中である。巨大な船の骨格を頭上に仰ぎ見る広大なガラス構造物の中のひろびとした空間。そのスペースを利用してときおり即席ブースなどを設置し絵画コンクールなどの展示を行うことはよくあるので、それ自体は珍しいことではないが、バリバリの政治家の油絵展はさすがに一味違う。ロビースペースに足を踏み入れるとすぐに甘い香りが迎えてくれる。展示ブースの受付脇を埋め尽くす花・花・花。立派な花束が何層も連なっている。その量はハンパではない。しかしせっかくの流麗な花たちも、あれだけ大量にあると、あまり美しくはないのである。「ひとつひとつ誇らしげに咲いている」つもりの、それぞれが世界にひとつだけの花なのだという思いで咲いているにせよ。あまりにも次々と運ばれてきたために、パーティションの影におしやられてしまったものもある。それぞれに主張が強く種類が雑多なのも、また見苦しい。吾も吾も、という感じ。政治家からみえる選挙民というのもおそらく、こんな感じなのではなかろうかなどとふと意地の悪い連想をしてしまった。