『トゥー・ウィーク・ノーティス特別版』

社会奉仕志向のかたぶつ弁護士ルーシーは金儲け主義の色ボケ社長に離職宣言を叩きつける。退職確定までの2週間、ビジネスライク(のつもりでいた)二人の関係はなにやら微妙に変化を…オフィス・ラブ・コメディ。
ちゃきちゃきのハーバード出身の超有能弁護士色気ゼロという役柄にサンドラ・ブロックはとてもはまっておりました。もちろん、ヒュー・グラントはぼんくら色ボケ社長に言うことなしで、キャスティングはナイスです。
「自分と正反対のものによって人は欠けている部分をおぎなうことができるのよ」というセリフがあるように*1、まさしく正反対の二人。でも息だけはぴったりで、それを描写するこまこまとした演技がかなり愉快です。例えばレストランで、無言でお互いのお皿からキライな食材をかってにピックアップしあい、あげく「まだ残ってるわ(ちゃんと全部とりのけてよね)」とぼそり言われて、「ん」と素直に応じる社長とか。他にも、出物腫れ物というが、それは女として、女優としていいのかサンドラっ!?なエピソートもあって、ははは…もはや20年夫婦のような惰性感が漂っております。これぞ阿吽の呼吸ってやつかね。
そんな二人の関係が恋に発展するのは、2週間という期間を区切られ、後任として現れた金髪美人に自分の居場所を脅かされてからのこと、ようやく色気ゼロのルーシーも自分がなにを欲しがっていたのか悟るのですが、恋する女はおばかでかわゆし。
さてDVD特典のカットされたシーン。ルーシーと親友の会話、ここは彼女が恋心に気づく重要なシーンなので、短くしてもよいけれどもカットしないほうがよかったかなぁ。親友カップルにも印象的なシーンがあるのだから、それを盛り上げるためのキャラに多少の厚みを与える意味でもあってもよかったと思いますよ。かたやもう一つのカットされたシーン。エキストラいっぱいつかってかなりお金かかっていそうなのを、ばっさり。大英断ですが、蛇足なのでGoodJob! ラストも軽くすっきとしていたので、楽しく見終われました。
でもなあ…雇ったばかりのブロンド美人とたちまち下着姿になってチェスをするような男で、本当にいいのかルーシー!? ルーシー母ちゃんがヒューにむける不信感あらわな硬直した顔には苦笑しつつも内心同感いたしまする。幸あれ、ルーシー・・・。

*1:あれ、このセリフはカットされたシーンだったっけ?