フレンチ『サリュー』

  • 東京都渋谷区広尾1-4-10 鴻貴ビル1F TEL:03(5791)2938

先週の話です。O.Jさんと、予約しないと入れない!と大評判のフレンチレストランへ行ってきました。平日の夜にもかかわらず、もちろん半月前に予約を入れてようやく滑り込んだってな感じです。

  • ロケーション

恵比寿から歩いて8分ぐらいの明治通り沿い。沿道の桜の花がまさに満開で、夜の闇に怪しいツクリモノめいた光を放って並んでいる、特別感のただよう絶好のロケーションです。ここへ至るまでにも洒落た喰い処が点在し、さすが恵比寿・広尾界隈はうまそうな街ですね。あ、ここか。サリューの店構えはわりとちんまり、看板もめだたず、しかもフランス語なので、アタシには読めやしません。Webで見た外観写真が頭にあったので通り過ぎずにすんだかなと。「これるヤツだけ、予約してきやがれ!」という矜持を感じます。いやあ、期待、期待。

  • 店内

落ち着いた感じのカジュアル。だってカジュアルフレンチだもん、値段はカジュアルってほど安くはないけども…。

  • 値段

ま、ちと高め。夜のメニューは5250円のコースのみ、前菜+メイン+デザート+ドリンクからお好みチョイス可能なシステム。あとは料理に合わせてワインなどを適宜オーダーします(これは当然追加料金)。二人で、ワインの一番安いの(3900円)を一本頼んで一人約8000円。バブル以降のカジュアルフレンチとしては、なかなか強気な値段設定じゃない? ちょっと気取ったフレンチでも最近は3500円ぐらいのコースがあるよね。

  • 料理など

5000円でもカジュアルと言わしめるその説得力はあるのです。
すぐにわかる。いや、すぐでもないか? オーダーして最初の前菜が登場するまで、30分以上かかったもんな。せっかくの小贅沢フレンチだからとすきっ腹をかかえ、とりあえずテーブルにはワインだけがある状態で30分はきついっす。なんでそんなにかかるかっていうと、シェフさんが2名しかおらんからなのですね。この、シェフさんが2名しかおらんってことで、常に最高のクオリティを維持していけるわけでもありますが、店内が一杯になって約30席ぐらいでしょうか。1晩で1回転しかさせないみたいなので、これ以上席を減らすと損益分岐点を割るのかどうかしりませんが、まあ、30人をほぼ同じ時刻に入店させて、それを2人で捌くとなると、厨房はおそらく戦場かと。
「まだ来ないよ」「ちとおそいのう」などというボヤキも、目の前に皿がどぉーん!と、そう、どぉーん!となのですよ、置かれたら吹っ飛びます。なにせその量が普通じゃない。アタシは間違ってメインが先にきちゃったのかと思ったぐらいです。アタシのオーダーした【ミル貝とウニのエスカルゴ風】*1は連れに比べればまだ可愛い。O.Jさんのチョイスした【アナゴのソテーのレバーペーストのせ】のすごさといったら、新鮮野菜がまずごっそりと普通のサラダサイズに盛られ、そこにおおきなアナゴのソテーがたわわんと2切れ、そしてその上に、スパムみたいなモノリスレバーペースト(5cm×10cm×0.5cm)が2枚どかんどかんと乗っている。うわー、アタシ、そっちにしないどいてよかった…と心の中で思いました。美味そうだし、分けてもらったら実際美味かったし、連れは細っこいくせにぺろりと平らげてましたが。アタシのミル貝のエスカルゴ風も激ウマ。エスカルゴ使うよりもこっちのが精神衛生上もいいし、美味いわね。
メイン。アタシは【本日の魚(ホウボウのソテー、あさりソース)】ってのを、連れは【白金豚の3種盛り】をチョイス。どちらも美味くて、量が多い。アタシのは普通のフレンチなら二人分に盛るところでしょう、連れのなんぞは3種盛りだけあって3人分はありそうな…。多くても、食べられちゃうのは美味いからなんです。ソテーは外はカリッと中はほっこり、ソースも一緒に盛られたいろんな野菜の味がでていて、オツでした。ま、正直に言うと、アサリから美味いだしが出るのは当たり前、ちょっとアタシでも作れるかも、なんて内心思いました(いや、口にもだしちゃいましたが)。
そしてデザート。あ、ごめん。そろそろ書きつかれてきた。これも味も量も、そしてもちろん見た目のアミューズも申し分なし。食後のドリンクとともに、ちょっとしたお茶うけがでます。これも全部美味しいけども、どのテーブルもみんなおなか一杯らしくこれを残している人たちが多かったですが、もったいないよーん。
お店を後にするときには一人8000円が安く思えてくるから不思議。その理由は量や味のほかにもう一つ。サービスがとても気持ちがよいのです。サーブしてくれる女の子もとても感じがよくて、フレンドリーすぎずにフレンドリー。食事を終えたお客さんをドアのところで今日の戦争を終えたシェフたちがみずから見送ってくれるのもとってもよくて、また来よう〜と、気持ちよくお店を後にできるのです。小鳥食いじゃないヒトにはお勧め度超高し。次はランチをチェックしてみたい。

*1:注:料理の正式名称はどれもこれもうろ覚えです