アップタウン・ガールズ

亡きロックスターの一人娘で、NYのお城のようなマンションの最上階で気ままで優雅な一人暮らしを満喫中のモリーは、全財産を管財人に持ち逃げされて一夜にして一文無しになってしまいました。お金の心配をしたことも、働いたこともない世間知らずな小娘モリーは、10歳のレイという女の子のベビーシッターとして働くことに。このレイは清潔神経症ぎみで、だらしないモリーにことごとく反発。でもモリーは気にしません。一目ぼれしたロックシンガー・ニールに入れあげたり、レイとの約束を平気で破ったり、親友の忠告に耳を貸さなかったり、思いつくまま気の向くままに周囲をふりまわす。ところが反発ばかりのレイとの間に生まれた思いがけない共鳴が、モリーとレイの二人を少しだけ大人にしていく……NYを舞台にしたフェアリーテイル(by監督)。
モリー役のブリタニーは狸面だし、ちっともかわいくありません。それにくらべてダコタ・ファニングのチャーミングなこと。ダコタは『アイ・アム・サムI am Sam : アイ・アム・サム [DVD]でサムの娘役を演じた子なのだね。
ところが終盤にむけてどんどんブリタニーがかわいく見えてくるから不思議。モリーって娘っ子はかなりのイカレタオンナノコです。そーね、アタシから見るとちと理解不能マンバギャルみたいなもん。マンバもあのへんてこりんなメークをとったら実はかわいいやつじゃん!だったりする(あのメークはそれが狙いなのか?)ように、モリーも狸面でへんな言動をしていても実は、大事なものを見分ける目や暖かい心を持っている。なんだぁいい娘なんじゃんかと、ほろり。アタシってだまされやすい?
とはいえ、ニールに対する不気味なアプローチには、常識派なアタシはいまだに「なんてアホなんだ…」と眉をひそめずにはいられませんが。
キーワードは「大人なんてどこにいるの?」。
この映画を目当てでシアターに足を運んだならば立つ腹も、2本立てのおまけだったとしたらばずいぶん得した気になれる、まあ、そんな軽めのコメディ映画です。あっしはわりと好きだがね。ディズニーランドのティーカップに乗ると、アタシもぐるぐるまわしちゃってあとでふらふらになるくちですから(見てないと「なんのことやら」でしょうが見ればわかります)。
そうそう、DVDの特典映像にでてくるブリタニー・マーフィーは本編よりもだんぜんキュートで、ダコタ・ファニングは小生意気な大女優さん(笑)でございました。