ドラマ『87%』最終回


えーっ、これで終わりかよ(落胆)。だらだらと意味不明な回想と大団円のみ、全ての盛り上がりは先週までで終わり。なんてつまんない最終回だろう。
黒木の妻をめぐる過去の医療ミスだのなんだのなんてのはストーリー的にはまったくもって蛇足で、その蛇足の足部分だけで最終回をひっぱろうなんてのが間違い。何年も前に医療ミスがあったかどうかなんてことは視聴者的にはどーでもいいんじゃ、そんなとってつけたようなネタでひっぱるなっ!
視聴者(ってかアタシだ)が一番知りたいのは、先々週のラストで部屋に消えた二人はその後どーしたのか、そして二人はこれからどーなるのかなのである。見逃したであろうR子のために補足しておくと、先々週のラストってのは、深夜に晶子の家(子どもはサッカー合宿で留守!!)を訪れた黒木を「どうぞ」と招じいれたとこで終わったのだよ。どどどど、どーなったの!? なのに翌週はなぜかそこんとこを完全にスルーしちゃっておりました。脚本家、健忘症か!?
なれば今日こそはと思えども、最終回なのにどーもただの患者と主治医の関係から一歩もすすむ様子はない。よし、今だ、告れっ!というシーンでも晶子は口ごもってうやむやにしちゃうし、かといって浮世離れした黒木もっくんに男女の仲の進展をのぞむべくもなく、あーあ。
もうこれは、もっくんというキャスティングの致命的なミスだね。彼ってなんかどーみても女に欲情しなさそうだもの。別に男に欲情するタイプとかいってるわけじゃなくて、性欲がなさそ。現実生活では結婚してて子どもがいるもの知っているけども、処世術のひとつでそーしてみました、みたいな印象。あくまでも印象ですが。
2年間の医療停止処分を食らったもっくんと元同僚の古田新太が唐突に国際ボランティアに行くってんで見送られて飛行機に乗る。どーいう展開じゃ。機内で新太が「あのヒト(晶子)とどーいう関係があるの? わざわざ空港まで見送りに来るなんて普通の関係じゃないよね〜?」とせっかく鎌を掛けてくれたのに「べつになにもないですよ」とさらりと受け流されちゃって、えーい、古田特攻隊長!もっとつっこめ!!と応援しても、もっくん相手じゃ暖簾に腕押しぬかに釘。「すみませーん、新聞もらえます」って、え、突っ込みはそれで終わりですか、つ、つまんねー…。
とにかくつまんなかったですっ(断言)。せっかくいままで丁寧に描いてきたのに最終回で台無し。ま、あえてよかったシーンをあげるならば、

  1. 2年後、ぴかぴかの中学生になった息子に「ショウタ、中学生になったら告げようと思ってたんだけども、お母さんね…」「病気のことだろ、知ってたよ。でも母ちゃん、知られたくなさそうだったから知らない振りしてた。あれだけ騒いでりゃオレだって気づくよ」ええ子じゃ。
  2. なんの縁もゆかりもない黒木邸に「きちゃった」と遊びに行くショウタ。「きちゃだめだった?」「いらっしゃい」と打って変わって明るく応対する黒木義母。
  3. 2年後宇津木医院に戻ってきた主治医黒木から触診を受けるラストシーン。両手を耳の下のリンパ節にそっとあてるとこにほのかなエロを感じました。医者の診察って医者が若くてハンサムだとエロいね。
  4. 渡辺いっけい元所長(晶子にプロポーズした過去あり)との再開。互いを理解し尊重しあっている大人同士の友情がみえてよし。なんかもっくんとよりもこっちとのほうが、この後の進展がありそうな感じ…。

ぐらいかな。あーあ、タイトルの5年ってのにも結局たいした意味はなかったし、せめて晶子と黒木医師の仲の進展をほのめかすぐらいサービスしてほしかったわい。あれ、そういえば黒木って亡くなった奥さんのほうの苗字だよね。ってことは2年後の黒木はもはや黒木じゃなくなってたのか。黒木、お前は誰なんだ!?