赤井三尋著『翳りゆく夏』

20年前の被疑者死亡嬰児誘拐事件の犯人の娘が大手新聞社に内定、とのスクープ記事が掲載される。社長の密命を受け20年前の真相を探り始めた左遷社員は、驚愕の真実にたどりつく。第49回江戸川乱歩賞受賞作。
選考委員である宮部みゆき氏の講評にあったとおりの欠点が確かに気になるところだが、人物造詣から細部まで行き届いた作者の目配り、練り抜かれたプロット、飽かずに読ませる筆力、巧いです。この人のほかの作品も読んでみたいが、Amazonにはなかった…受賞第一作は?