全自動洗濯機への道(1)


保守的で昔かたぎな母親は、キメ細やかな調整や少量の小分け洗濯に使い勝手のよい2槽式洗濯機の信奉者である。17年前に購入しぼろぼろになった2槽式をいまも後生大事に使い続けている。一度だけ排水ホースがくちたので取り替えたそうだが、それ以外は問題なし。昔のものって長持ちするよねぇ。ま、構造が単純ってことなんだろうけども。でもそろそろ買い換えてもよいんじゃないかと、アタシが「全自動は楽だよ〜。お風呂に入っている間に洗濯がおわっちゃうんだから」と薦めても首を振り続けていた。その母親がついに根負けし「全自動って楽なんだって?」といいはじめた。よっしゃ、その言葉を待っていた。アタシが買ってやるぜ!、というわけで「全自動洗濯機への道」はスタートしたのであった。
どんなのを買おうかなと考えてまずぱっと頭に浮かんだのは、N社の最新式斜めドラム洗濯乾燥機。ほれ、ナウシカのオームの目玉みたいなのが前面についてるやつです。あれはデザインがかわゆいし、斜めドラムってとこが使いやすそうでよいじゃない? あれなら腰の悪い母親でもとりだしがらくらくさ。値段がちと高いのには目をつぶる。だって確定申告で思った以上の出費になりそうなんだもん。ひー、なんだよアタシがいくら節約したって政府がもってくんじゃんか、だったらもう使ってやるーっ!っていっても洗濯機はどうあがいたところで経費で落とせやせんが。
ところがちょいと調べてみたらこのN社の製品はまだ発展途上なところがあるらしく、評判はいまひとつ。一つ前の型番ではけっこうクレームがついたようであった。ネットの評判をすべて真に受けるわけにもいかんが、ムード買いはいかんな。斜めドラムにはもう少し実績と研鑽を積んでもらった後に購入したほうがよいのかなと思い直した。
根本に立ち返ってドラム式と通常型、どっちがよいのかというところから検討をやり直そう。