味平も塩の誤り


ありえないっ! 料理で砂糖と塩を間違えるなんてそんなレトロな漫画みたいな過ちを犯すだなんてありえない〜っ!!…と思いたい気持ちは山々だったんだが、ありえるもんなんですねぇ、ふっ(遠い目)。
近頃料理に凝りだして少し魚をさばけるようになったとたん「アタシってば味平?」だなんて悦にいっていた、驕る平家は久しからずや、伸びた鼻も木っ端微塵。晩飯に肉団子と大根の中華風甘辛煮を作っておりましたアタシ。その過程で砂糖と塩を入れ間違えてしまったのであります。途中で一度でも味見してりゃ気づいたろうにと、今にして思う。食べるときに新鮮味を失いたくないからという理由で味見をせずにすませた、そこには「アタシは味平だから」という驕りもあったろう。甘味なしの甘辛煮、塩分濃度2倍のまま40分煮込んで完成。がーん。
でもね、これが食えたんですよ。「ん、なんかヘン…甘みが少し足りないか?」と首をかしげながらも食べちゃった。甘みが足りねーどころか、砂糖なんざ一粒もはいっておらんちゅうに。しかもこの時点ではまだ己の根本的な過ちに気づいておらんという異常事態、ってか異常味覚? おそるべし。醤油、酒、中華スープの素、オイスターソース、そして塩(砂糖代わりに…あうう)。それでも食べられたのは少し薄味にしておいたからなのよね。アタシが味オンチってこと? あうー。
残りは砂糖を追加して煮なおしておこう。と、砂糖のポットを開けてようやくなにかがおかしいことに気づいた。あれ、さっき砂糖を入れたときは確かに白かったのに、これは薄茶色なのはWhy? アタシの料理用砂糖は三温糖。そう、カラメル色素が入っているので薄茶色なのである。じゃあ何でさっきのは白かっ…えええっ、いやーーーーっ、どういうこと!? え、そういうことぉ〜!? やったことが漫画みたいならリアクションも漫画みたいに、両腕をふるふる震わせて後ろにのけぞるという有り得なさ。そして、しばし放心。アタシはいったい何者なのだろう。味オンチなのか、それとも塩と砂糖を間違えても食えるものを作ってしまうとは、やはり天才料理人味平なのだろうか!?