アーキラボ(森美術館)


・2004/12/21-2005/3/13 森美術館にて開催中 『アーキラボ 建築・都市アートの新たな実験展 1950-2005』http://www.mori.art.museum/html/jp/index.html
1950年代頃にフランスで始まった実験建築という建築構想のニューウェーブの変遷を追った展示で、『フランスのオルレアン市で1991年から「ユートピアと実験」をテーマに毎年開催されてきた建築の国際会議「アーキラボ」を通して収集された模型や素描の膨大なコレクションが、本展出品物の母体』だそうです。
初期の実験建築だと、キノコみたいなかわゆい邸宅(実際に人が住んでいる!うらやましい)、全面ガラス張りの家とかあって、未来のおうちとかいうテーマで小学校の工作で子どもが自由な発想で作ったものみたいでおもしろい。全面ガラス張りの家といえばココリコの『黄金伝説』という芸人さんがいろんな限界にチャレンジする番組の中で、1週間外から中が丸見えの家で生活するというサバイバルドキュメントをしてましたが、あれこそまさに! 『黄金伝説』の家の妥協なきところは、天井や床下からも家の中を覗くことができるようになっているところ。んで実際に暮らしちゃうとこだね。さすがにご不浄ぐらいは目隠ししてありましたが(そうじゃないと犯罪になっちゃうね)、寝ているところもテレビをみてくつろいでいるところもすべて壁に張り付いた人間たちに見られ、ガキどもに壁をバンバン叩かれて「なんかやれ!」「こっちむけ!!」「笑わせろぉ」「つまんねーんだよ」とやいのやいの言われるという、動物園の動物以下の処遇。京極夏彦の小説に壁中に目があるという視線恐怖の男が登場してましたがあれは妄想、これは現実。
あ、アーキラボの話に戻さねば。実験建築は箱としての可動性や可変性を追及し、仮設住宅のおももちを持ったものから、宇宙住宅(宇宙ステーション)様のものへと変遷し、結局家なんて柱と壁と床があればどんなふうだってよいのね、と思っていたらその柱も壁も床も削っていったらどうなるかという方向性もあり。ってことはホームレスのダンボールハウスこそ究極のアーキラボかもしれませんなんてことを思ったり。なかなか啓発的な展示でした。
・おまけ(1)眺望
美術館のチケットで入れる展望スペースから見る東京の夜景は素晴らしかった。東京タワーがわりと大きく見えるってことが眺望のよさの一因かもしれん。昔はエッフェル塔のまねなんぞしくさってなんて下品な建物だろうと思っていたけれど、ライティングを変えて以降の東京タワーは素敵である。屹立する光の塔はまさにTokyoのシンボル。
・おまけ(2)NANONANO http://www.nanonano.jp/
イラストレータ宮島浩一氏の電子部品やネジなんかをつかって作ったオリジナルなWork。一般に販売されているのは小さなロボットの携帯ストラップなのだが、これはかなりかわゆし。なんとPさんに誕生日プレゼントとして携帯ストラップを買ってもらいました〜。嬉。携帯持ってないけどね。