『ラスト・クリスマス』最終回


あ〜、つまんなかった。
参りました。こんなに脱力する盛り上がらない最終回も珍しい。最終回ってのはうまくいけば全てのパズルの断片がきれいにぴたりと収まりどころをみつけてひとつの大きな絵に収束し「ああ、なるほどね。見ていてよかった〜」とじんわり喜びが広がるもんで、うまくいかないと破片がとっちらかってどうしようもないことになるもんだ。ラスクリの場合はどうかというとそれなりの収束をしてはいるんだが、収束が小手先で小粒。山椒は小粒でぴりりと辛いが、ラスクリにはぴりりというカナメがない。甲斐性なしの製作者が5000ピースはムリだからと50ピースのさくさくできてしまうジグソーをいっぱい集めてみた。奴は甲斐性ばかりか冒険心もないのでそれぞれのピースをいちおうひとつの机に並べてはみるものの、他のピースとまざるとやっかいだからとそれぞれの山からはみださないようにちまちまと領域を区切りちまちまと作業する。で結果、たくさんのきれいな絵はできたけどまとまりがなく、結局何をしたかったのアンタ?ってな感じに。3ヶ月かけてこれかい!?とひざ突き合わせて説教したくなりましたよ。とほほ。
納得のいかなかった「東京ラブストーリー」のリベンジができるならばということで月9仕事を引き受けることにした織田っち(ファン情報による)。今となってみれば、ふっ、ですが。まあ織田を責めてはかわいそう。どう考えても全面的に製作サイドが悪い。視聴率的にはめぐまれたが、作品にめぐまれなかったということだ。次は作品にめぐまれるとよいねぇ。
さてと。あまりにも脱力しちゃったもんで、もはやどこどこのエピソードがどうのこうのたら書くのもかったるい。とりあえずラストだけには触れておこう。んだよ、1年後パターンかよ!はまだいいとしても、1年間も入院してシアトルの病院を退院したばかりの元病人を一人で異国の雪の中に放置して「ほれ、ひとりで帰れよな」はありえなかろう。病院連中にはケンジが根回ししておいたんだろうが、ユキも少しは疑問に思えよ、抵抗しろよ。雪道に刺殺された雪だるま発見。「あら、ちがうわ。この刺さった枝は矢印なのだわ」などといきなり不思議の国のアリス的メルヘン世界に入り込むユキ。あぶないです、かなりあぶないです。場所はシアトル、シリアルキラーの本場ですぜ。なのか? とりあえずアメリカってことで本場でしょう。矢印に誘われ迷宮に入り込んだ彼女を待っていたのはサンタさん、の変装をした変質者。男の車に無邪気に乗り込む赤頭巾ちゃんの運命は!? 続きは『ラスト・クリスマス2 羊たちの沈黙編』にて。予告編、恋人の失踪から1年、湾岸署に転職したケンジはFBIに派遣され…。