オンナは降りたり上がったり


マガジンハウス出版の岸本葉子さんのエッセイ集*1を読んでいたら「ノーメイクで道を歩くとティッシュくばりの視線が自分を素通りしているのがわかった。見た目に気を配らないでいると、すでにオンナとしてなにかを降りているとみなされているようだ」というような一文が。ファンデーション、たかがひとはたき、なれどひとはたきであるのだなあ、たかが程度ならはたかにゃソンソンという話(だったかな?)。
すっぴんで道を歩くアタシは確かにティッシュをくばられそうになる率が低いような気はする。というよりも最近低くなってきたのかな。テレクラのバイトぐらいならまだまだイケルと思うのに…。ま、それはいいとして、すっぴんはティッシュをもらえない代わりに別のなんもくれない連中のターゲットにならなりやすい。ありがたくないこっちゃが。「すみません、手相の勉強をしているんですが」という勉強熱心なお方たちに、である。こういうのに張り付かれたら、うざいんじゃ、ぼけぇ!とののしりたい気持ちをこらえ足を速めるのが一番だ。やつらはしつこい。こばんざめのように寄り添って「ちょっとでいいんですけど」などとついてくる。ええい、マジでうざいんじゃ、ぼけぼけぼけぇ!! でも縄張りがあるのか5mぐらい我慢すればやりおおせる。するとそこに別のコバンザメが待機している場合もあるが。特に有楽町駅周辺。以上が降りたりの話。
次は上がったりの話。オンナは降りていてもそのうち勝手に上がるようにできている。一定の年齢を越して男と女の境界線があいまいになっていくと「あがったのかしら?」と思われてまう。別にあがるだけなら結構なのじゃ、とっととあがってくれりゃよいが、そこには「アタシはもうオンナじゃなくなったのね」とかホルモン異常だとかのネガティブな副産物までついてまわる。勝手に降ろされたり上げられたりするだなんて、オンナはつらいよ。なんてな。

*1:岸本葉子著『結婚しても、しなくても』独身オンナ30代は肩肘張らずにしゃりしゃりと、賢い女性のショートエッセイ集。結婚しても、しなくても (知的生きかた文庫―わたしの時間シリーズ)