『ラスト・クリスマス』第8回


いやいやいや、おもしろいじゃんかよぉ。1話目で「うーん、ふるクサイなぁ…」とほとんど見限ってしまったラスクリですが、織田っちファンのヴァイオリン教師に「HALさんの感想がぜひ聞きたい」とリクエストされたもんだから今週はがんばってみました。でもがんばるなんて不遜でしたわ。だって普通におもしろかったんだもんよぉ。
アタシは実は織田っちが大の苦手でCMにでてきただけでチャンネルを替えてしまうぐらいだったのだよ。「CDMA-1」をやってたころが嫌い度のピーク。少し太ったきゃつめが「まろ〜ん」などとお茶のCMをやりだしたころからは「あら、織田くんも丸くなったわね」といくらかほのぼのとした気分になって拒絶反応を示さなくなりはしていたが、しかしなんだね、このドラマの役柄の超好青年っぷりをみせつけられるとこんなアタシでも「織田君、すてき・・・」とちょっとよろめきそうになりますな。いかんいかん。
最初のキューンの訪れは、ボーリング場。「仕方ない、やりますか」などほざいて第一投を構えているあたりで、ほぉ、さすがに決まっているもんだから、「あらやだ、かっこいいじゃんか。ちっ」ぐらいになり、見事な投球フォームで放ったボールがすこーんとガーターにはまったところで、アタシのハートも「うっ、こういうアホな人好き」などと反応し、きわめつけは振り向いたときの満面の笑顔。きらきらりんな白い歯に、「うわ、ちくしょ」きゅーん。などなど。まあ、一時的な錯覚でしょう。
とにもかくにもこのケンジっちゅうキャラが女からみてとことんいいやつすぎなんだよね。ボーリングに行く前に、ちゃっかりユキの友達のところにフォローに出向いてるしね。そこでのセリフもこれでもか、な好青年ぶり。俺は彼女のことならちゃんとわかっているんだよというのもひとりよがりさを感じさせずにほどよいかげん。ああ、やばい。
「『東京ラブストーリー』のサトミみたいな女」役の桜井幸子。彼女、セカチューでももう一人の女的な役回りだったよね。最近憎まれ役が多くてかわいそうだのう、薄幸そうなのに…いや、薄幸そうだから? たぶん彼女の持つ湿り気のなせるわざでしょう。一昔前なら「しっとり」とでも言われたであろうもんが今のカラリとした若者の間にはいると「じっとり」になるの。なんて。んで、社食における元カノvs今カノ対決。すばらしいちくちくぶりで笑えました。そして捨て台詞のように「アタシはまだケンジのことが好きだから」なんて宣言しくさる、よーそんなこというわね、やなオンナっ! と、かくしてこういう敵の存在が視聴者の心をぐぐぐっとヒロインに近づけさせるのですな。『東ラブ』カンチならば[元カノを優先してしまう優柔不断なうじうじ君]加減でユキともめにもめるんでしょう。平成の東ラブのカンチ、つまりケンジはその辺はきちんとしてらっしゃる。まあ、ヒトミもサトミに比べるとだんぜんいい女だったってことだな、引き際を知っていたし。なので後味よしで◎。
ところでアタシは続けてみてないのでよくわかんないんだが、あのゴロウがプロポーズにいった貧乏一家の女はいったい誰、ってかどういう展開なの? ん、それはあまりにもちゃんと見てなさすぎか。すみません、どこかで復習してきますわい。その女が追いかけてった別の男の子に「結婚と恋愛は別だから」といいながら「でもアナタには一目ぼれだった」などと気を持たせる無節操な告白をしてるシーンには、目がテンに。え、ゴロウの立場は!? ゴロウ…哀れなり。一目ぼれされていた男の子も「いかにも一目ぼれされそうな男」じゃないところがなんともいえませんな。好みは人それぞれでしょうが。
好きなシーン。二人が駆け足でお部屋に戻って、その後ごろごろとベッドでマイナス40度で凍ったシャボン玉の話をするとこなんかとってもよいね。ほのぼの〜。ばかップルなシーンはみていて楽しい。これがラスクリのよさかな。あの扉をふさがれるところの呆然としたふたりも、かわゆし。きっと最終回では超人ハルクのようにケンジがあの木材をつきやぶってユキのもとにいくんだわ、などと妄想。
さて、来週はなんだか深刻な展開が待っているのか? ユキの病気はいったいなんなんだっ!