烈女ドラマ『黒皮』『大奥』


木曜日の夜は強い女のドラマが2連荘。どちらもおもしろくてうれしい悲鳴なのである。

初回は銀行員原口元子の横領が発覚し逃走したのち、ホステスのママに納まるまでを2時間スペシャルでゴージャスかつノンストップに描いていて「意外とやるじゃん、テレ朝」の大満足なのであった。
米倉にホステスのゴージャス衣装が似合いまくるのは、あのスタイルだもん当たり前。しかし艶やかでスマートなのは見た目だけにとどまらず。その悪女ぶりがまた喝采を送りたくなるような見事さなのだった。元勤め先の銀行に艶やかなホステス姿で単身のりこんで、支店長相手に堂々と渡り合い、税金逃れ用隠し口座の情報をかざしてちゃらにしてしまうくだりでのかっこよさにはもう惚れ惚れ。低い声での啖呵が決まっていて、まるで緋牡丹博徒のお竜さんのようではないか。米倉涼子の演技はあまり好きでなかったんだが、これで一気に株上昇。釈は普通に巧いし、津川や稔侍の中年男のいやらしさ演技はもうくどく言う必要もなし。驚いたのはギバちゃんで、『素敵な片思い』の頃のさわやかさはすっかり影を潜めて(という役作りなのでせう)、権力と金と女大好きな、いかにもうさんくさいエロおっさんと化していて、アタシはちとショックを受けていたのでありました。いや、演技力でしょうが。
かくも期待以上に面白いスタートを切った1回目からとんとんとーんとリズムよく見せて欲しかったところを、間に日本シリーズなんぞが入って1週あいてしまったもんで昨晩は本当に待ち遠しくてたまらんかった。そして期待通りの、悪女ぶりにくーっ。でもこんなに男を手玉にとっていたら殺されちゃうよぉ〜と思っていたら案の定、銀行の元上司が「貴様のせいで暇職に追いやられてしまったんだ」と乗り込んできて、あわやアイスピックで挿されるか!?のすったもんだあり。まあ、2回目で死ぬことはなかろう。助けに入るは中村トオル。助けてくれたくせに元子にむかって「あんた銀行にいたときになにしたんだ?」と突き放すように。あら、やだかっこいいじゃん、いやん、うっとり〜。すまん、ドラマ限定だが冷酷な男が好きなもんで。とにかく来週はトオル様が絡んでくれそうで楽しみは尽きず。

前作も断片的にみておらずこれも2回目からの視聴であったが、ぜんぜんおっけー。面白かった〜。今回は春日局を主人公にした物語。福(後の春日局)は誰かと思いながらみていたが、なんとなく「福」の音感のイメージだけで顔のぷっくりとした松下かしらん、と思ったらやはり。今回は3代将軍徳川家光の乳母・福と、2代将軍秀忠の妻・お江与の女の戦い。お江与様を演じるのは高嶋礼子、美しく身勝手な女の業が立ち居振る舞いからも匂い立つ。お、いいじゃん、この高嶋礼子は、と見初めたばかりだというに今回で死んで退場してしまいました。残念。
あ、時間がない。また明日少し続きを書くかも。