不思議な社長秘書Aさん


アタシの現在勤務しているのは外資系企業。そこには不思議ちゃんな社長秘書さんがいた。外資系の社長秘書といえば、高嶺の花、バリバリの才色兼備のステータスというイメージがあったのだが…。
今日のAさん。勤務時間中にフロアの中をねり歩き、
「今日10時からですよ〜」
と伝令してまわる。はてさて何が10時からなのだろう。普通に考えれば午前10時からの会議の告知あたりを想定できそうなところだろうが、いやさ、このAさんをなめたらアカン。10時からというのは夜の10時、そんな時間に始まるのが会議であるわけがない。いや、外資なら時差が…なんてなまともな答はつまらん。答は、ドラマ『大奥』なのである。
え、ちょっと待って、なんで勤務中に社長秘書が『大奥』の放送予定を告知してまわるん? はい。その疑問はよくわかります。実は彼女、たまたま目にした再放送で『大奥』のめくるめく世界にずこんとハマりハマるやいなやDVDを購入、「何度見たかわからない」ほどに見まくり、「すべての台詞が空で言えるほどよ」と豪語し「大奥に入りたい」と身悶えるほどのフリークになってしまったのだった。「そのほうら〜〜するがよい。そちは〜〜なのじゃ」*1みたいな大奥言葉で会話したくてうずうずしているが、下々のものどもはヒアリングはできてもスピーキングにはついていけず。フラストレーションのたまったAさんは『大奥』伝道師と化したのであった。Aさんはさすがに業務で使える英会話はもちろんこなせる。それでもすでに大奥言葉のレベルはそれを凌駕して流暢なご様子。さすが外資系社長秘書(ってなにがじゃ!)。Aさんは悔しがる。「『大奥』が英語なら、英語がすごくペラペラになったのにな〜」。気持ちはわかるが、不思議ちゃんである。

*1:ごめん。アタシはまだ勉強不足で正しい言葉がわからん