ドラマ2本


昨日フジテレビスタートの連ドラ2本を続けて鑑賞。ミムラ主演の新任定時制高校教師の奮闘記『めだか』と、坂口憲二主演のマザコン息子のラブコメマザー&ラヴァー』。期待値はだんぜん『マザー』のほうで、『めだか』はそれまでのつなぎのつもりだったんだけども、見終わってみれば『めだか』に軍配かと思ったら…。

  • 『めだか』

ミムラって子はビギナーで唐突にデビューしたときに1回目だけちょこっとみたきりだったので、ちょっとビックリしました。前からこんなに芝居にソツがなかったっけ? 眉を微妙に動かしながらの表情がとてもキュートで、この娘(こ)って前からこんなに可愛かったっけ?と失礼ながらこれまた目からうろこ。話自体は類型的な定時制高校の話で目新しさはないけれど、脚本と演出のテンポがよいので救われている。この脚本好きだなぁと思って脚本家の名前を見れば、相沢友子さん。ああ、なるほど『やまとなでしこ』『恋のチカラ』のお方なのだね。納得。『恋のちから』は中盤以降に話が安っぽく破綻していき吸引力が急速におちていったけれども、今回はどうだろう。そもそもが生徒の描き方があまりにも類型的。たぶんこんな風だろうなとステレオタイプに想像した生徒の品揃えからは、ぱっとみただけで「ああ、こんなエピソードをやろうとしてるんだろうなあ」というのが容易に予想がついてしまう。実際の定時制の生徒ってのは、仕事を終えた後に授業料と時間を自分の力でやりくりして学校に通っている人も多いと思うんだ。だから激情のままに一人の生徒にかまけて授業を自習にされるとすごく腹立たしいんじゃないかな。安易に自習にするパターンは見てて気分がよくないので気になった。
ミムラ嬢が可愛くて演技もテンポも脚本がよいが、筋や設定がありきたり。『マザー』よりも出来がよくても次回どっちかしか見れない、どっちかひとつを見ろといわれたならば『マザー』のほうを選ぶなあ。あと、ネプチューンの人はなんでこんなメインどころにしょっちゅう出てくるんだろう、不思議。

坂口君は立っていたり車夫(人力車)をしている姿は実に好青年でよいのだけども、メインであれこれ動き始めるとなんかちとつまらない。彼は絶対に2番手3番手でおいしいとこをさらっていくのがよいと思うのだが、今回は主役なので我慢するしかない。その「ツマラナサ」を補って健闘していたのが女優二人。堂々としたコメディエンヌぶりを発揮している篠原涼子。彼女って自分を捨てているところがよいねえ。美人なんだが、ひらめ顔のブスなんだかよくわからないとこも好感をもてる。マザー役の松坂慶子もよい。髪を短くすっきりさせて、これがまた意外なほどのかわいらしさ。こんなキュートな母ちゃんならばマザコンも仕方ないなと思わせる、許せるマザコン対象という感じです。今回は篠原と坂口の恋の発端の語りがメイン。そのへんがぜーんぶうそ臭くて脚本が下手で、演出も間延びしている感じでマイナスポイント。でも篠原vs松坂の図式がメインになってくる来週以降をどう料理してくるか、ちと期待しててもよいのでしょうか。ちなみに脚本は岡田惠和。この人の本って怒鳴って人を周囲を説得させようとする激情シーンがしょっちゅうでてくるんだよな。そこがちと苦手で不安なのだが。