プロ野球初のスト決行


週末に実家に帰ったら、野球に興味のある父親も、野球にぜーんぜん興味のない母親も珍しく声をそろえて「古田はがんばっている」と評価しておりました。アタシもそう思う。古田ってただの野球バカじゃなくて、交渉能力もPR力もあるインテリだったのだね。まあ、いかにもそういう面(つら)をしてますが。捕手をしている人というのはやはり総じて頭もよいのだのう。
オリックス近鉄の合併から端を発した球界再編騒動は合間にダースベーダーナベツネ・リタイアなんてふいうちを挟んで、なお揺れまくる。いったいどないなるんじゃい!? せっかく新規に参入してくれようといってくれるありがたーい企業に対して、門前払いを食わせたオーナー会またの名を野球老人会は、まるでマニュアルをくるわされてあたふたしているマクドのバイト君と大差ない。いや、それよりも始末が悪いな。なにせ、これまでの舵取りは全部ナベちゃんにおんぶだっこだったもんだからして、いまさらなにをどうすりゃいいのかわからんという、役立たずな船頭多くして状態であるからして。
しかもこの船頭さんらは、自分たちの持っていない「勢い」を持つ若い船頭が気に入らないときている。まあ、ライブドア楽天も社長が39歳というのが、感情的に許せんのだろうなあ。気持ちはわからなくもない。だって楽天はともかくとしてライブドアのほうはなにやらとっちゃん坊やしてて、頼りなさげ。そのもちもち感は赤ちゃんプレイしていそうな感じ(あくまでも感じですよー)で、とても何十億、何百億もの金を動かせるようなバリバリ実業家風情あらずなのだもの。そんな見た目のせいでさらに若そうにみえてむかつく老人会にしてみれば、さしずめ「こわっぱめが差し出がましいことを!」と手討ちにしたいところでしょう。
しかしいつまでもそう言ってばかりもいられなくなったのが、ナベツネ引退。こういうときに「こわっぱめ」と暴言公言かましてくれる耐火壁がなくなってしまったわけです。もう会議と称して座して茶をすすって風見鶏してはいられない。それでも頑迷でいたら、選手会とファンとそれを後押しする地方自治体やら首相の「どんどん拡張する方向にね」という逆風がふきまくる。まるでオーナー会が吉良で古田が大石内蔵助選手会が四十七士といった態。で、吉良邸の中で慌てふためいているとこなんでしょう。うーん、こうなってくるとやっぱナベツネのキャラがほしかったとこですねえ。
オーナー会はわりとわかりやすい悪ですな、今の風潮として。しかしなあ、一部の球団のみが儲ける仕組みが首を絞めていたのは事実だが、いっぽうでは一部のスター選手の年棒の高騰が球団運営を圧迫した要因のひとつでもあるよね? 選手会の側からそれに関してのなんらかの譲歩はないのだろうか。あったらちょっとかっこいいのに。年俸1億円以上の選手はその1割を球界再編基金のようなものに充てるとか、ね? 
来年の理想系は、合併した球団がひとつ(楽天?)と、新球団がひとつ(ライブドア?)の12球団2リーグ制維持。そんで、このさいだから古田はヤクルトの高額年俸をうっちゃって新球団に移籍して、新球団ならなんでもありですもん、昔の南海時代の野村選手監督に倣って選手兼監督をしちゃうというのはどうでしょうか。え、それじゃ古田はがんばった挙句に貧乏くじかいと。でも新天地でまっさらから自分色のチームを作れるチャンスなんてなかなかないのよん。