遠藤徹著『姉飼(あねかい)』

脂祭りの夜店で串に刺されぎゃあぎゃあ喚いていた姉ら。姉を手に入れる(買う・飼う)ためならば僕はどんなタブーも厭わない……第10回日本ホラー小説大賞受賞作の表題作ほか3編。
図書館で予約して本の表紙を見た瞬間に後悔。うげげ気味悪〜。タイトルで気づくべきでした。でもとりあえず読む。駆け足で読む。あーあ、ごっつ悪趣味やん。ホラーっていっても怖がらせる系じゃなくて嫌悪感を煽る系。
著者は東京大学卒、同志社大学言語文化研究センター助教授で研究書を何冊も物し、モンスター、フリークスなどサブ・カルにも精通。脂祭りやら蚊吸豚やらの設定のねちっこさは、なるほどインテリの妄想らしい。巻末のホラー小説大賞審査委員のコメント、大賞に推したのはおのれ等だろうに、なにげに困惑しているのが可笑しい。