唯川恵著『刹那に似て切なく』

自殺した娘の無念を晴らすため清掃婦に身をやつすこと3年、ついに男を刺殺し本懐をとげた恭子(43)。強行後の放心状態のところを見ず知らずのユミ(19)に救われて、成り行きで女二人の逃避行をスタートするが…。
気楽に読める覗き見的恋愛小説かと思いきや、あら、おったまげ。唯川女史おそらくはじめてのハードボイルドタッチであった。まるで桐野夏生かの乃南アサかといったふう。たまには毛色の変わったものを書きたくなる気持ちもなんとなくわかんなくもないけども…うーん。二人の逃げっぷりの行き当たりばったり度は『テルマ&ルイーズ』に通じるものがある。女ってのは男より良くいや思い切りがよく、悪くいや衝動的かもね。