西澤保彦著『夏の夜会』

小学校の同窓会で当時の殺人事件を振り返るが、そもそもの事件の概要さえも各人の記憶は二転三転…「人間の記憶とはきわめて曖昧な代物であるらしい」。
毎度あらたなジャンルを開拓してはミステリ界のタブーに挑戦する著者が今回挑むは記憶錯誤トリック。覚えていたことの確実性なんて本当に保証できないもんだ。「絶対こうだった!」と言い切ったことが後からぜんぜん違ってたと判って赤面、なんてことはよくあるし。