藤堂志津子著『海の時計』

美人で恋多き女として生きる母(55)と、祖母に育てられた姉妹(32・30)との確執。
隣の芝生ではないけれど、娘たちからは年甲斐もなく不潔と反発される母の姿が他人には若々しく自由奔放で素敵に見えるという。身内だから見えてしまうものもあるけれど、また一方で見えないものもある。家族で揉めたら一歩退いてみることが肝要だ、わかっちゃいるが実現はなかなかむずかしい。ところでさ、主人公にいいタイミングでいい男やらいい友人やらが現れるのは少しご都合主義的展開では?なんてことを抜かすと、それは嫉妬というものだと図星をさされかねんな。んじゃ、撤回。お話なんだからご都合主義大歓迎よ。