廃屋の裏銀座カフェ「カフェ・コンシール」

「銀座のカフェで、かねていきたいと思っていたところが一軒。サイトに目を通してみて♪」
というPさんのリクエストでリサイタル後は銀座7丁目のカフェ・コンシール、2年後に壊される予定のボロビルの最上階(3、4階)にあるギャラリー&カフェへ。ビル自体は歴史的だとかいうほどの格調も由緒もないけれども、20世紀のレトロ臭がぷんぷんと郷愁誘う鉄筋コンクリートビルヂング。3階全部と4階の半分がギャラリー、4階の残り12畳ほどのスペースがカフェ。
カフェスペースのベースカラーはブラウンとベージュ、差し色にルージュ。ユーズドファニチャー(ところどころほころびあり)、コンクリートにペンキを塗っただけの少しくすんだ壁、高い天井(4mぐらいありそう)から釣り下がった裸電球、1面を埋める素朴な作りつけの本棚、四角く切り取られた小さな窓、ところどころに置かれた素朴なアーチスト作品、キャンドル、ルービックキューブ、雑誌、絵本、レトロな扇風機、青い炎の見えるガスストーブ、カフェライクな音楽。
インテリアはバランスが絶妙でよそよそしさがまったくなく、なんだか妙に落ち着く。居心地がよい、よすぎる。ほどよいボロさや貧乏くささのせいかもしれん。くつろぎきったPさん、本棚の本を適当に持ってきてふんふんと捲っているのはいいけれど…ねえ、君、財布をお隣のテーブルにおきっぱなしてるのは何故? むき出しだし、微妙に遠い位置だし、他にお客さんいるのに…。
「アナタ、それはいくらなんでもくつろぐすぎでは?」
「おおっ。うむ、たしかに、すぎだわね。なんか友達の家に遊びに来たような感覚なんだもん」
本当の本当に、危険なほど居心地がよいのであった。

メニューはエスプレッソシングル300円、ホットコーヒー400円など。場所は、うーん、もったいないから教えたげない。ソソラレたお方は自力で検索なりして探してみ、んで、さらにソソラレたら壊される前に行かれるがよろし。