本日のよろこびごと。(747)


森田版 食卓の絵と ヘリの音(喜)
連ドラ好きとしてはドラマが裏で重なるのをできるだけ避けてほしいと思うんだが、あえてバラエティだった枠をドラマにしちゃうところもあったりしてホント困るわさ。ってなわけで2日続けて二者択一を迫られた。水10の『雲の階段』と『家族ゲーム』は局側のターゲット的には『雲』が自分向けなんだろうけど、『ノンストップ!』に番宣で生出演した櫻井君がとても好青年だったので『家族』を。木9の『潜入探偵トカゲ』と『ダブルス』は「事件ものならテレビ朝日でしょう」で『ダブルス』を選択。さてこのチョイスは正解か否か…ってな前置きでドラマの感想♪

冒頭の長尺無音演出に森田芳光タッチを感じて「おっ、これは面白くなるかも?」と予感、不登校児の個室の窓とドアを塞いで監禁しちゃう発想に意表をつかれる中盤、そして終盤での辛辣な裏切りと暴力、
「俺さ、人を殺したことあるんだよね」
のぶっ込みも悪くない。オリジナルの魅力をいくつか踏襲しつつ新しく面白いものを作ろうという意気込みが感じられる、好感を持てる仕上がりになっていたと思う。ただほんの少しあざとく、ほんの少し空回り気味だったけど(←意地悪すぎ?)
もしも傑作映画『家族ゲーム』が存在しなければ、もしも『家政婦のミタ』の記憶が新しくなければ、との仮定がドラマを見ながら何度も頭をよぎった。そんな仮定が無意味なのはわかっちゃおるよ。でも先入観が鑑賞の邪魔をして、「面白いが、狂気が足りん。一家はもう少し地味なほうが…」などと違いやアラさがしをしてしまうのが悲しくて。それがなきゃもっと単純に「型破りな家庭教師だなー、すげー、面白れー」って楽しめたのにね。
視聴者のこういうジレンマを覚悟したうえでリメイクに挑戦したんだろうが、なんつーか、やっぱ壁がでかすぎんだわ。
越えられない壁はどうするか、抜け道を探せばいい。現代風のアレンジと解釈で変化球勝負をしてみるとか、たとえば主演の家庭教師のキャラを替えてみたらどうなるだろう。などと制作陣が考えたかどうかは定かではないが*1、デンジャラス臭がムンムンする松田優作を、明るく闊達な優等生イメージのあるアイドルにやらせてみたら…で、撮ってみた本作。結果、狂気は表立ったものから裏へ潜行し…あー、ダメダメ。こんな小難しいこと考えずに見てこそドラマでしょうがっ!
やはりリメイクは渦中の栗、寝た子を起こす劇薬だよなと改めて思います。実際のところ森田版は、家族が一列並びでご飯を食べてるシーン、目玉焼きの黄味をすする親父、団地に響くヘリの音ぐらいしか具体記憶はなく、ただ「なんかすごかった」って印象しか残っていないんだけどもね。ともかく、
がんばれ、櫻井君!

  • 『ダブルス』

あれ、オカシイ。もっと面白くなるはずだ、面白くなるはず…面白く…あんまりならなかったね。海猿医龍の並びは眼福だったけど、んー、来週は『トカゲ』をチェックしてみよっかな〜。

*1:実際は嵐の櫻井君ありきでいろいろ企画して「『ミタ』みたいなのが受けるんだったらいっそ『家族ゲーム』でもやってみる? 櫻井君の見せたことがない顔も見られそうだし」ぐらいのノリが始まりだと推測