本日のよろこびごと。(617)

『ローマ法王の休日』


イタリアの ユーモアがよく わからない(喜)
試写会で見た映画の感想♪

タイトルはもちろん『ローマの休日』のもじり。そこから、キュートでポップで楽しくて、でも最後は元へ戻ってほろ苦く甘酸っぱいみたいなのを想像するよね。でもその期待はもろくもはずれ、
”法王様が街へ逃げ出した!”
というポップな煽りは看板のかけ違いだな、PRの仕方がおかしい。誤った期待さえなければもっとずっと楽しめたはず。いいところ、クスッとできるところもあったから。
 (以下、かなりネタバレします)
例えば、コンクラーベ(法王選挙)中の候補者らの心の声が、
「自分になりませんように!」「神様、お願いです、私には無理です」
まるで町内会やPTAの役員選出に等しくて、なんだか親しみが持てるなぁとか。
あるいは、秘密を守るため法王庁へ軟禁された枢機卿らが、精神科医の口車に乗ってバレーボール大会をはじめてしまう、なんだかよくわからないノリとか*1
翻弄される法王庁スタッフらは、驚き焦り頑張ったりはしても、決してピリピリはしない。そこも素敵だ。
しかし、こうしたユーモラスな法王庁内のシーンに交互して描かれる法王のゆうゆう散歩、実は意外なほどこちら側に笑いの要素が少なかったりする。
うつろな眼差し、公共のバス車内での独り言など法王は確かに病んでいる。宿泊先のホテルには、深夜にチェーホフのセリフを叫び続けるさらに病んでいる男がでてくる。これは、笑っていいのだろうか? ちと困惑。
イタリア人のエスプリが日本人のアタシにはイマイチなのか、ノリ方がわからない。
役者志望だった夢を思い出した法王は地方の劇団のリハーサルに潜入、後続のシーンでは当然のように彼らと食事をしている。途中経過がわからないので、たぶんイタリア人はフレンドリーなのだろうなぁ。
つかの間の放浪で己を見つめ直した新法王はついに連れ戻されて聖ペドロ広場の信者らの前にお目見えを。彼の口から出たお言葉は…。
「な、なんじゃこりゃ!?」
イデアも趣も役者も悪くはないけれど…なんかスッキリしない映画でした。

*1:ってか、本筋と関係ないところでなぜか大活躍してた精神科医の存在がとっても謎だったが、監督さんだったのねー(笑)