本日のよろこびごと。(613)


東野さん ちょっとドラマ化 されすぎじゃ?(喜)
ドラマ初回の感想〜♪

1話完結の全11話、各話つながりのない短編を題材としており、主演も日替わり。前後に挿入されるナビゲーション部で、ナビゲータ(中井貴一)の殺害される事件が回を追って遅々と進展していく趣向により連続性を保つ、ややイレギュラーな連ドラ。
初回は「さよならコーチ」唐沢寿明田中麗奈戸田菜穂西岡徳馬ほか。
ふむ、なかなか面白かったけれど、なんかドロッとしていて種明かしされても爽快感がなかったなぁ。足りないのはなんだろう、若さかなぁ…うん、ほぼ30歳オーバーの役者さんしか出ていなかったよね。大人のミステリーだから当たり前なんだろうけど、空気感に胸焼けしちゃった。
そうでなくても、妻(戸田菜穂)が妊娠中で部下が(田中麗奈)愛人という設定に、唐沢さんはやや老けすぎだったと思う。原作を知らんが、30代後半ぐらいの人にしたほうがしっくりいったかも。
本作で群を抜いてよかったのが、田中麗奈。10代〜20代の女性の華やかで楽しい時期を全てオリンピック代表になるために捧げたアーチェリー選手、「自分にはもう何もないのよ!」と精神の均衡を崩して悲痛な叫びをぶつけ、妻帯者であるコーチへと狂おしいほどに執着してしまう役柄。ハマっていた。彼女がここまで情念のある芝居ができるとは。黒目がちの潤んだまなざしが多くを物語り、愛の深さが相手へ与える恐怖へとつながっていく表現力。怖さと切なさ。最期の一言、
『さよなら、コーチ…』
この言葉に込められた情感に刑事役(西岡徳馬)が引っかかったことも、すべてがわかったうえで聞き直すと、きちんと深淵な想いが伝わってきた。ぶらぼ。
もちろん唐沢寿明も役にハマっていなかったと言っても、演技では遥かに巧者でしたよ。貫録の芝居。
あ、そうそう。唐沢に付きまとう刑事(西岡徳馬)の毎度の登場シーンがおかしかった。唐沢の背後から拍手して、
『いやぁ、すばらしいですねぇ!』
などとおためごかしから入るところ。なんかコロンボっぽいんだもん(笑)
来週は「犯人のいない殺人の夜」坂口憲二白井晃雛形あきこ、中原丈夫ほか。
連作的なお楽しみ、脇役かぶせとかのお遊びはないのかなぁ? でもま、ミステリ好きなんでたぶん毎回見ると思う。中井貴一も好きだし(笑)