本日のよろこびごと。(505)


久々に 続けて観るかも 平清盛(喜)
大河ドラマを久々に見たんで感想〜♪
あ、全然関係ないけどさ『特命係長・只野仁』のオイロケシーンがなにかを彷彿とさせるなぁ、最近見たなにかをと考えて、そのなにかって『ベンジャミン・バトン』だったという…ふっ。

いやぁ、面白かったわぁ。昨年のお花畑大河はなんだったのかと。やればまだまだこーいう、現代とは異なる野蛮さと価値観、重厚感の融合した、見ごたえのある大河ドラマが撮れるんじゃん。だったら毎年ちゃんとやれよー!
初回は、平太(清盛幼少時)がいかにして野心と権力欲を抱くに至ったのか、その発端をわかりやすくドラマチックに描いていてぐいぐい引き込まれましたよ。配役が全部当たりでね、素晴らしかった。ホントに、役者がほぼ全部良いって当たり前のことなんだけども、最近貴重だもん*1
もっぱら好々爺的親父ポジが多い伊東四朗白河法皇)の振り切った悪役芝居は、素晴らしいの一言。ただの悪ではなくて、権力の中枢を握った人間の歪みと凄味を漂わせていて、有無を言わせぬ新境地。鳥羽上皇中宮(壇れい)を寝取る濡れ場のねっとり感には思わず悲鳴が。脂の乗り切ったエロジジイっぷりは、津川雅彦を超えたかも。
清盛の父である平忠盛を演じた中井貴一は、いつもの5倍ぐらいイイ男に見えた。いや、いつもイイ男ではあるんだがそれは意味が違うイイ男。中間管理職臭を全面に出した風采の上がらぬ、善良さと弱さを見せて母性をくすぐる役どころが多かった。忠盛も上司(=白河法皇)に頭の上がらぬ役どころだが、克己心がある、乗り越えた熱さがあるんだわ。ラストの平太への一喝はシビレタぁ〜。そこのところはまた後で書くとして、とにかく中井貴一はもっともっと評価されていい役者です。
権力も妻も取られて煩悶する鳥羽上皇役の三上博、穏やかな声と芝居で場の毒性を中和する得子役の松田聖子らも素晴らしかった。しかし初回のMVPには清盛の生母・舞子を演じた吹石一恵を挙げたいと思う。たおやかなる女性(にょしょう)の象徴でありながら、弁慶ばりの立ち往生。死の直前に見せた葛藤と覚悟のみせる壮絶な美しさ。吹石ちゃん、いい役をもらえたねぇ、よかったねぇとアタシはすごくうれしくなりました。どこかで母にそっくりな女性として特別出演せんかのう…。
先ほどちょっとだけ触れた平忠盛のシビレる一喝について。
己が平家の出自ではないと知らされ荒ぶる平太(=清盛)に詰め寄られた育ての父のつらい立場。おそらく昨年の大河であれば、平太をぎゅっと抱きしめ、舞子がお前を守るためにどのような最期を選んだのか、実母の愛を涙ながらに説諭し、1人でも多くの罪なき庶民がそのような理不尽な目に合わない平和な世の中に…などとヌルい展開をしたはず。リアルタイムで見ながら
「あーあ、きっと大河お得意のあれがはじまるのね」
と覚悟した。ところが平忠盛は真実を簡潔に告げ、子供の前で太刀を抜き放ち、
『今のお前は平氏に飼われるただの犬だ。死にたくなければ強くなれ!』
うわー! かかかか、かっこえーーーーっ!! 平成の甘ちゃんじゃねぇ、これぞ平安の男だよ。真の武士だよおっ!
来週も見ようっと♪

*1:ただ、語りだけは…(涙)