14万円のゆくえ


「実はきのう、ちょっと高額な出費をしてしまいました。14万円弱。さて、なんでしょう?」
という問いかけをされた。
14万円って高いような安いような中途半端な金額だよね。
オペラのチケット? いやいや、彼女はオペラに関しちゃ10万円程度の出費を普段からしているので、いまさら出題することもなかろう。飲み代には高すぎるが、彼女ならありえるところがこわい(アタシならありえん!)。
家電系だとDVD、ブルーレイ、地デジ対応のテレビとアンテナ調整、洗濯機や冷蔵庫でもいいのを選べば14万円ぐらいいくよね。あ、パソコンも14万円ぐらいか。
などと考えてみた。答えは実に意外なことであった。
「この出費はモノじゃなくてサービスです。なーんてひっぱるほどの話じゃないのだが。実はこれ、エステ12回分。キャンペーン価格で試してみたら、そこのおねえさんが健気で気に入ったのでつい1年分契約してしまいましたの。重力に負けてる顔をリフトアップするのが主目的だが、効果はようわからん。ただ、月に一度くらいプロにお手入れしていただくというのもいいかな、と」
へえーっ、エステかぁ! エステで14万円は良心的な値段なんだよね、きっと。いや、よくわかんないんだけどさ。
にしてもエステねぇぇ…アタシのお顔も重力に負けておじゃるが、そーいう発想がまったく浮かばなかったことに、女としてのありようの差をみせつけられてしまった気がするよ。
はっ、これって女力テストだったのか!?