ドラマ『遥かなる絆』第5話

  • 原作は中国残留孤児で日本に帰国した父親・城戸幹(きど・かん)の半生を娘・城戸久枝がつづったノンフィクション『あの戦争から遠く離れて』。NHKによるとっても真摯なドラマです。

グレ様らぶ〜!
とっても真摯なドラマなのに、不真面目な感想ですんません。グレ様とは城戸幹の青年期を演じる台湾の役者さんグレゴリー・ウォンのことです。なんだかとーってもかっこよいのだ。
しっかりと製作されていてさすがにNHKという作品なので、毎回話の筋だけでも日中問題や残留孤児の苦労やら考えさせられるところ、うならされるところが多い。そーいう良質な作品を堪能する喜びに加えて、さらにグレ様にうっとりできてしまうので、アタシが今いちばんはまっているドラマなのです。
ノンフィクションとしてのすばらしさについてはどこかで語りつくされていると思うので、ここではひたすらグレ様の見所を。
今回のグレ様は、73分けのノビタメガネでもやっぱ素敵だったよーん。しかも学生服も似合うよーん。
もとい、今回のグレ様は、ついに日本へ帰国を果たし、慣れない環境で「自分はお荷物」であるという葛藤に苦しみながらも、光を見出していくくだり。光というのがほかでもない結婚相手の笹岡陵子。正味10分もないラブラブなシーンの連続技が今週の最大の見所でした。
なんつーか、陵子演じる佐藤めぐみがめちゃくちゃういういしくてかわいいの。普通に居るだけでかわいいのに、准看護婦の白い白衣できゃんきゃんはねて、きゃらきゃら笑う、ああ、なんという夢のようなかわいらしさでせう。
幹君(グレ様)との馴れ初めは、定時制高校。文集の編集委員をしている彼女が同級生の彼に題字を書いてってお願いするのね。
「なんでボクに?」(グレ様のたどたどしい物言いがたまらんっ!)
「だって、字、上手だもの」
そして2週間後題字を書いてもらった彼女は、
「これ、お礼です。先週職場の友達と旅行に行って、お土産ですっ」
と照れくさそうにひらひらと包みを渡すの。あー、このひらひらって感じは見ないとわかんないかな、かわいいんだおー。
「空けても…いいですか?」(グレ様のたどたど…以下略)
「うんっ」
なかには、こけし…え、こけしかー、うーん、微妙…とアタシは思ってしまったが、よく考えると昭和だし妥当か。実話だしな。そんで、こけしの素朴な微笑みを見たグレ様は、
「これ、あなたに、似て、ます」
「えー、似てないー」
「似てます」
「似てないよー」
「似てる」
なんていちゃつき会話を、彼女はピョンピョンはねるような足取りでグレ様の周りを衛星みたいにぐるぐる廻って、
「えー、いやあだー、きゃははー」
「ふふっ」
「もー」
あー、まいったー、ふたりともかわゆすぎ。ここまで少女マンガ的初恋シーンはいまどき禁止じゃねー? まあ、これも実話だし…なのか!?
「あはは」
「うふふ」
で終わりかと思いきや、まだある。その後、病院勤務中の彼女の元へ彼が自転車でやってくる。窓から彼を発見した同僚が、
「あ、またあの人来てるよ。早く行ってあげなー」
「えー、うんっ」
まったく嫉妬とか意地悪とかの意識のないさりげない会話がいいね。彼女も素直に「うんっ」とはじけるような笑顔で彼の元へと降りていく。泣く子も微笑む白衣の佐藤めぐみだー! ところが自転車の近くに彼の姿がない、あれー?どこかなー?
「わっ!」
と背中から驚かすおちゃめグレ様。
「きゃー、いやあーだぁー」
と、グレ様の胸をたたく佐藤めぐみ。あーもー、いちゃいちゃやで。んで、グレ様が、
「今日は、あなたに、渡したいものが、あります」
「えーなーーに?」
「おたんじょうび、おめでとう、ございます」
と背中に隠していたプレゼントの箱を彼女の目の前に、
「わー、覚えててくれたんだ」
「あたりまえ!」(ここのグレ様の言い方、すごくイイっ!)
「開けてもいい?」
「あたりまえ!」(ここもイイっ!)
このねー、「あたりまえ」のニュアンスも絶対に日本人の役者にはマネのできないイントネーションで、そこがね、きゅんっ。あー、聞かせたげたい。もだえるぜ。
彼女は恥ずかしいので(というニュアンスも昭和カップルのすばらしさ!)、彼に背中を向けて箱を開くと中は、
「あははー、ぐちゃぐちゃー」
「え? あ、ほんとだ」
「もーー、うふふ」
「ふふっ」
ケーキが入っていたのだけれど、自転車の前かごに無造作にいれてきたのでとんでもないことに。かろうじて上のデコレーションに「おたんじょうびおめでとう」の文字が読める。二人して、ケーキの箱を挟んで笑いをかわしあうのだが、顔の距離が近ーーっ!
ふとグレ様が顔をひきしめ、そして!
「ボクと、けっこん、してください」
「え?」
「ボクは、あなたと生きていきたいです」
「え、でも大学は?」
彼(28歳で来日したので32歳ぐらいかな?)と彼女の年齢差は10歳もあって、彼女はちょっとびっくり。彼が大学へ進学する夢を抱いてようやっと祖国へ帰還した苦労と意志をすでに知っている彼女は、「うんっ」でも「はいっ」でもなく、かわりに少しばかり質問をしてしまう。しながらもぜんぜん嫌がってないというのが表情で読める。満面の笑みで、超YESですよ。佐藤めぐみが、いい芝居をするんだ。これって絶対にNHKドラマスタッフが萌えまくってるんだろうな。
二人は彼女の両親の家へ許しをもらいに行って…と、しめて10分程度の出演の佐藤めぐみがものすごく印象的でした。佐藤めぐみ最高っ!
あれ、グレ様の話をするはずなのに、佐藤めぐみべたぼめ? ま、この二人は二人でひとつのかわいい昭和カップルを作り出していたんです。
来週はもう最終回。グレ様の壮年期を演じる加藤健一の出番が多そうで、もしかしてグレ様はほとんど出ないのか!? ああっ、加藤健一が嫌いになりそうです。