『日本一のホラ吹き男』

おもしろかった…。いいものみせてもろたぁ。
お風呂へ行かなと思ってたのに途中で席を立つのが惜しくて結局最後まで観て「ああ、本当に惜しい人を亡くしたんだな」とじんわり実感いたしました。
ホラ吹き男が会社でトントン拍子の大出世をしていくお話。ホラ吹きといってもちゃんと有言実行なんだよ。仕事だってするときゃする。それもモーレツに。「睡眠は3時間、食事と身支度で2時間、そしたら一日19時間は働ける」と嘯いたら、嘯いたとおりにみっちり働いちゃって、周りの人が「仕事がなくなっちゃうよ」と慌てるほどに。たらいまわしされた部署で「君の席はないよ」とか言われても、「ほー、それはありがたいねー」と呵呵大笑しちゃう。まったく裏がなさげなカラりとした笑いっぷり。でもおバカじゃないの、超頭脳派。んでもって超前向き。こんなの有り得ないでしょうと思う前に、なんか気持ちが明るいほうへひっぱられました。高度経済成長期のわけのわからん時代のエネルギーなのかもしれないけど、今のようなウツっぽい時にこそ、こういうのをもっと観たほうがいいんじゃないかな。
昭和の名喜劇俳優だとかいろんな美辞麗句をいっぱい連呼されるよりも一本の映画をみせるほうが喪失したものの大きさを実感させますね。 
植木等さまに黙祷。