米国産牛肉輸入と『きょうの料理』


米国産牛肉の輸入が再開されましたね。そろそろ店頭に並ぶ頃? まだ?
安いので(と言っても輸入禁止前よりは若干高くなるとか)食う人は食うでしょう。で、食わない人はますます牛肉そのものを食わなくなると。アタシはどっちつかずです。鶏には鶏のジューシーさ、豚には豚の淡白さ、牛には牛のコクがあり、それぞれに代えがたく、すき焼きやステーキは牛で食べたいもの。
ただやっぱアメリカ産は気が進まんよ。狂牛病騒ぎ以来、圧倒的に牛肉摂取量が減り食費も若干安くついているので、今のペースを保ちたい。となれば、牛肉は「たまの贅沢」というポジションにしておくべきでしょ。たまであるがゆえにウマさもひとしお。子供の頃は、牛肉は給料日、ケーキは誰かの記念日にしか食べられないものでした。それゆえスペシャル感があった。え、アンタの家は違う? けっ。とにかくアタシは牛肉はたまの贅沢でじっくりと味わうことにさせてもらう。というわけで当然和牛をいただきます。
米国産牛肉をやみくもに疑うわけではありませんが、
「日本がふたたび全面禁輸するなら、貿易戦争になる」
なんて先制攻撃をしかけてくる農務長官がいる国だもんね。本末転倒だよ。買う人(=食う人)に、
「まあ、なんて安全で美味しそうな牛肉なんでしょう! どうか輸入させて〜!!」
などと拝み倒したくなるような気持ちにさせるのが筋っちゅーもんじゃねーの? 買いたい気持ちにさせてくれ。内外取り混ぜていろんな思惑が牛肉輸入を解禁させたのでしょうが、最終的にはアメリカの言いなりになった感がぬぐえず。実に、嫌な感じだー。
そいえば。
思惑はないのでしょう、きっと、ええ、「たまたま」なのよね。今週のNHKきょうの料理』のメインが全て牛肉料理*1という偶然に国策か?など邪推してしまうアタシがいます。いやいや、『きょうの料理』のテーマなんざ何ヶ月も前に決まっていたこと、ただの偶然なのです、おそらく。
「8月は暑さ負け対策ということで第一週は牛肉にしようと思うのですが」
「ほう、暑さで疲れた体に血の滴るステーキでビールをぐいっとか。たまらんねぇ。よし、それでいこう」
というふうに会議で半年以上前に決まったのよ、きっと。
ただただあまりタイミングが良すぎたもんで、国営放送*2だけあってその頃から、
「実は極秘ですが8月から、ほにゃららだそうですよ」
「あー、ほにゃららですか。じゃあ仕方ないですねぇ」
なんて耳打ちされてたんじゃ…とか疑えてしまうの。それともぎりぎりになって、
大本営から牛肉を特集しろと」
「ええっ、今からねじ込むんですか!? 勘弁してくださいよ」
ああ、想像がトマラナイ〜。これって牛肉摂取量の低下したアタシの心のビタミンBが不足しているせいなのでしょう。

*1:月:ステーキ、火:肉じゃが、水:ユッケジャン、木:ローズビーフ

*2:いや、国営放送じゃないですよ、実際には。