プラド美術館展に学ぶ

「美しいものを鑑賞して心を洗いたい」と言う友人に誘われてプラド美術館展へ行ってまいました。よりにもよって5月5日晴天、絶好の行楽日和に、いかにも混みそうな上野へ!
エルグレコ、ベラスケス、ティツィアーノルーベンスゴヤなど日本でも名前を聞けば誰もが「あ」と思う画家の作品を含む81点。当然、見ごたえと迫力は申し分なし。入場料1500円(大人)を損したとは思いません。16〜17世紀から数百年もの時を経たとは思えない発色のよさ、クリアさは修復技術の確かさを感じさせます。しかしながら会場でアタシの脳裏に何度も浮かんだのは、感動よりも、かつて母から聞いたこんな言葉でした。
「連休中にわざわざ人ごみに出かけるのは愚の骨頂」
ははは。人に流され、ぶつかりローリングストーンさながらに角をけずられたアタシにその言葉はつーんと沁みまする。すみません母よ、娘は愚の骨頂をやっちまいました。確かに絵は素晴らしかった(はず)。でもいくら素晴らしかろうと、年末のアメ横のように大量に人がいる中で、酸欠の金魚のように少しでも空いているところを求めて絵画を盗み見、さらに感動を味わうなんてアタシにはムリ。アメ横では何も買わないままいつも疲労だけを拾って帰るアタシですもん。