冬をしまう


休日だというのに止め忘れていた目覚まし時計の音で目を覚ました。2度寝しようにも、体がすっきりしている。天気もよいみたいのでひとまず起きることにした。そう、たいそう天気がよいようである。
「よっしゃ、冬物をまとめて洗濯でもすっか」
セーターとかドライマークがついているものを洗うにはホームドライ溶剤を用い、バケツで30秒漬け置きして洗濯機で10秒脱水してまたバケツで30秒…などいちいち手作業でバタバタせねばならずはなはだ億劫で例年梅雨ぐらいまで手をつけない。さすがに梅雨ともなると清潔に暮らさないとちょっとやばいかもという圧力を感じ、山積みしたセーターとかマフラーとかの間にヘンな虫を発見してうぎゃーとなったりしてね、ようやくやる。
せっかく早起きしたのでたまには早めにやるか。しかしホームドライ…その手順を思うと体が動かなくなる。気が重い。
「えーい全自動でやっちまおう、だめになったらそのときだ」
メンドクサイので普通の洗剤でカシミアのセーターだのマフラーだのを普通に全自動洗濯してしまいました。でもこれが案外どうってことなかったりして、「なんだ、これでよいのならもっとさっさとやったのに」と思う。たまたま今回はどれも一見害なく仕上がっただけで、そのうちお気に入りのウールをダメにして「あー…」と後悔することになるのかもしれないけれど。