リベンジ、レンコンはさみ揚げ!(2)


無事、任務を遂行いたしましたことをここに御報告申し上げます。
やっぱり美味かったよー、レンコンはさみ揚げっ。昨日の御献立、

  • 土鍋炊きのほくほくご飯
  • レンコンはさみ揚げ&春巻き
  • ブリ照り焼き(ブリあらパックからまともな身を照り焼きにしました。残りは明日のメインディッシュ、ブリ大根に)
  • 蜆汁(前日の残り)
  • はくさい漬

やっぱりアタシは和食党だわ〜と、食の喜びをかみ締めつつも、でもちょっとババくさいメニューかも…と思う。そして空想はとぶ。
もしもアタシが今子供を産んだら…
「どうしたの? 早く食べなさい」
箸を持ったまま、ご飯をつついている娘を促す。
「おなか減ってるんでしょ?」
「なんかさあ、家のご飯ってババくさいんだね」
「ババくさいだなんて、こーいうご飯はね、身体にいいのよ」
「こないだ、ミホんちに泊ったじゃん。リゾットとかチキンハーブ焼きとかでてさ、あんなもの食ったことがなかったんで、すっげー驚いたら、驚いたことに驚かれちゃったんだよ。はずかしかったんだからぁ」
「ふーん。驚きのある人生って素敵よね」
「ちげーよ、そーいう問題じゃねーだろ」
「あら、じゃあどういう問題?」
「うーん…なんかさカタカナでかっこいい食事っていうの?」
「レンコンはカタカナでしょ」
「ちげーよ、蓮根だろ。ってか、ついでに言えばブリも鰤だろ」
「あら、そう。アンタ、賢いわねぇ」
「ま、まあな…」
と照れるムスメ。口は悪いが意外と素直である。
「よし、わかった。明日からチーズなんとかとかパスタとか作ってあげる。こーみえても、昔はそーいうのばっかり作ってて『イタリア人かよ、お前は!?』と突っ込めるぐらいだったんだから」
「やったー!」
「とりあえず今日はコレを食べてね」
「ちっ」
なにさ舌打ちをしつつ食べ始めればそーやってがっつくんじゃない…と思うがさすがにそれは口にしないでおく。そして約束どおり、翌日はチーズリゾット、2日目アサリのボンゴレ、3日目チキンハーブ焼き、4日目…と、1週間カタカナ系料理を続けたところ、
「どうしたの? 早く食べなさい」
フォークを持ったまま、パスタをいじっている娘を促す。
「おなか減ってるんでしょ?」
「なんかさぁ…」
「なんか、なあに?」
「…」
娘の苦々しい顔にしてやったりと思う。
「アタシのパスタ、美味しいでしょ?」
「美味いとか、そーいう問題じゃなくってさ……わかったよ。降参。すんませんでしたっ」
「あら」
「和食が食べたいです」
「ふーん。でもアナタがこーいうご飯にしてって言ったのよ」
「和食を食べさせてくださいっ。くそー、あーしょうゆ味食いてぇーー! 味噌汁ーっ!!」
用意してあげたカップめん(当然しょうゆ味)をむさぼり食らう娘をみながら、勝利の笑みをパスタで押し殺す。幼い頃から和食習慣をつけられた娘は、イタリアンのくどさに悲鳴をあげるのは想定内。いっぽうアタシはお昼に和食を食べてバランスをとっているので大丈夫だったのでした。など、ながなが妄想。