オイスターソース焼きそば


昼ごはんに、川津さんのレシピ本『あ、おいしい』から気になっていたオイスターソース焼きそばを作ってみた。オイスターソースはだいぶ前に新聞に載っていたレシピでエビチリを作るときに購入し、それからはたまに野菜炒めに使ったりしていたけれど少しばかりもてあまし物の調味料であった。友達から活用するためのレシピをリサーチたりしたりはしたものの、やはり写真がないレシピだと興が乗らずそれきりにしてしまい、オイスターソースは依然としてもてあまし物のままで調味料置き場の一番奥のほうにひっそりと息を潜めつつ、ときどきアタシに「使ってくれないの…」と恨めしげな存在主張をしていたりするのだった。
『あ、おいしい』のこのレシピは名前の通りオイスターソースが主役で他の味付けは醤油ベースの塩コショウ、具は豚肉、もやし、ニラのみといたってシンプルである。中華の基本のにんにくとしょうがを炒めるところからスタートして、あとは順番に炒めて調味するだけ。
積極的にレシピを増やそうとするよりずっと前から焼きそばは我が家の定番だった。たっぷりの野菜が取れて、洗い物もフライパンと皿ひとつでOK(包丁、まな板、菜ばしももちろん洗いますがね)。ずぼらでも健康はひとなりに気になる身にとって焼きそばは非常に理想的な料理である。味付けは普通のウスターソース一辺倒、お気に入りは丸ちゃんソース焼きそばの粉末ソース。一度塩焼きそばを試して「うっ、なんだこれ。マズ…(ってか口に合わなかったのだね)」となってから「やっぱり焼きそばはソースだぜ!」とますますウスターソース固執桜海老(オキアミですが)を加えてみるなどの一工夫をしてはみたもののついに飽きてここしばらく食卓にのぼることはなくなっていたのである。
そうした経緯から気になってしかたなかったこのオイスターソース焼きそばに挑戦してみたわけだ。失敗しても原価はたいしたことないし、よかろうと。
で、どうだったかというと、本に「香港あたりで食べる焼きそばに似ていたりします」とあるように確かにこの焼きそばはいかにもな家庭の味とは一味違う。一口目で「え、なに、これ…」と目を見張る驚きの味、チャイナタウンで食べるような味。「やだ、うまいじゃん」ずるずる、「こんなものをアタシが作っただなんて信じられん」ずるずる、「なんかくやしい」と独り言を交えつつ貪り食ってしまったのでありました。このレシピは簡単でおすすめでっせ。