切り裂きジャックに親近感


週末のこと、秋刀魚の安売りを発見、これ幸いと衝動買いしたまではよかったが家に帰ってわれに返るとあまり塩焼きという気分ではない。そこで秋刀魚の竜田揚げを作ることにした。恥ずかしながらこのときまで魚一匹を自力で開いたことはない。塩焼きならぶつ切りすりゃすむ。鰯の手開きならやったことはあるが…ま、なんとかなるさと、見よう見まねで三枚におろしてみた。無謀である。しかし手つきはおぼつかないながらも完成形のビジョンが明確ならば無謀でもなんとかなるものだ。半身は中骨に大量に身が残ってちとぐだぐだで見栄えが悪くなってしまったが、半身はそれなりに綺麗におろせているではないか。ぐだぐだになった半身もしょうが醤油に漬け込んでおくぶんには余計に味がしみやすくて好都合。こうして孤軍奮闘してできあがったはじめての竜田揚げ。結果はうまうま〜であった。
これに気をよくしたアタシ。要は慣れよね、安い秋刀魚とかで練習をつんでいつか鯖を1匹さばいて鯖寿司やらなんやらを作るのが目標さ、などと思い始めた。この話を友人にしたところ、
いやー、初心者がさんまに挑戦とはすまらしい。さんまはね、難しいのみゃ。わちだってやらない。
そう言われてみれば、秋刀魚は身がふにゅふにゅして扱いにくく、脂が多いので包丁の切れも悪くなりやすい。そうか難しかったのか…ん、そんな難しい秋刀魚でも50%も成功したアタシって偉くねーか?となにやら妙な自信をつけることになったのであった。
そしてさっそく昨日はアジの三枚おろしに挑戦。するとどうだ! 新鮮なアジは身がしっかりしているせいで包丁の入りもやたらスムーズで皮離れもよい。アタシってば天才?包丁人味平?などと悦に入ったのであった。作りたてのアジのたたきは絶品でいうことなし。もっと以前から自分で魚をさばけるようになっておけば、もっと刺身を楽しめたのに。いや、今からでも遅くはない。これからのアタシの食卓は一味違うぜー!とさらにその気になったのである。
ところで魚をさばくのってクセになるわね。こう自慢したくなるような達成感があり、しかも美味いものが食える。今宵もなにかをさばきたい〜!と月に向かっておたけびをしたくなったのでありました。(ゆえのタイトル↑なのです)
魚をおろせるようになった友達からこんなオチが、

私がいつか「アジおろせるようになった」と母ちゃんに自慢したら「あらあんた魚の下ごしらえなんかサミットのサービスカウンターですぐやってくれんのに。自分でやるなんて手も汚すしめんどくさいでしょ〜」と盛り下がることを言われた。