エンゲル係数


先週は社長さんのおごりで(ってか経費だろうが)渋谷のごっつ本格的高級江戸前寿司*1のカウンターにて「貝を中心に適当に」などという贅沢な経験をいたしました。もちろんお品書きなんつー無粋なもんはない(寿司ネタぐらいはカウンター後ろにあります)。「この車えびだけでHALさんの1週間分の食費」とか、「一晩でHALさんの3か月分(の食費)」とかさんざん脅されつつ、うはは、幾らなんじゃ。ああ、こわい。でも、うまい。でもこわい、でもうまい。しかし正直言わせてもらうと、アタシはもう少しこうワサワサした気取りのない店で豪快な料理をガシガシ喰らうほうが落ち着くのじゃよと思ふ。
同席してた営業のハンサムウーマンFさん、30歳そこそこにしてすでにご両親へ家を一軒プレゼントしたという超やり手孝行娘。実はこのお店は彼女の行きつけでありました。翌日アタシが「でもあの程度の客入りでお店は大丈夫なのかな…。オフィスから近いのだし良店保護のためにもせっせと通ってくださいな」と御礼方々社長へメールを入れたれば「大丈夫Fさんは、1人であれくらいのお店が経営が成り立つ分は食べるので…Fさんは、ある意味エンゲル係数は高い。給与からするとそれでも平均値かな???」なるお返事が。Fさんの給与っていったい!そこを追求してもむなしくなるので追及すべきはエンゲル係数
「アタシ、エンゲル係数が高くってさ〜」などと気楽に口にするわりに実際に己の実数値を把握しておる人はどれくらいおられるのか疑問なところである。世間知的には平均がどれくらいという認識なのか。まず己の数値を把握せねばというわけで計算してみた。正確な数値を出すのははばかられるので概算だがアタシは10%未満であった。(株)グローバル・コンサルティング・グループのマーケティング・販売用語集によれば、

その世帯の生活程度を示す指標といわれ、係数20以下は「すごく生活にゆとりがある」上流家庭など、25は「生活にゆとりがある」中流家庭など、30は「生活にややゆとりがある」、50は「やっと生活できる」世帯とされている。

ほほう、アタシってば「すごく生活にゆとりがある」上流階級だったのね、オホホホホ、なんて戯言はくと座布団が飛んできそう。

一方、収入がある額以下になると、固定的な支出に圧迫されて食料費が削られるために、収入が低いにもかかわらずエンゲル係数は小さくなるというエンゲル法則の逆転現象も生じる。

金融広報中央委員会の中学生のためのマネー解説による、この逆転現象がアタシのケースなのでせう。
総務省内閣府などの調査では、戦後すぐ1947年ごろで60%以上あったのが右肩下がりで2001年度の平均は23.2%であるとのこと。いかに戦後がかつかつだったのかが偲ばれます。衣食住ならまず食やもんな。ちなみにアタシの幼少時期の平均は35%前後。牛肉のすき焼きが食卓にでるのは給料日の後だけ、ケーキとコーラが誕生日やクリスマスの最高の楽しみ。家が平均だったというわけじゃないけど、おおむねそんな35%な時代なのでした。いつも美味しい物が食べられるだなんてのは本当によい時代になったなあと思うけども、たまに贅沢できたときのほうがより物をおいしくいただけた、そんな感じもするのです。エンゲル係数逆転現象を起こしてるアタシのほうが、高級寿司が日常のFさんよりも贅沢の味わい方を知っているのだわ、なんていうのはまた負け惜しみだけれども。

*1:店名度忘れ。でも人生のうちに一度くらいは足を踏み入れても悔いはない大人の隠れ家的お店なのでパトロンをみつけたらぜひ。住所はたぶん渋谷区円山町。渋谷道玄坂上ル神泉方面右折五分左手白暖簾。左手路地に居酒屋「和田丸」、向かいは無国籍居酒屋。