『リストラ・マン』

IT企業でリストラの危機にさらされた冴えない3人組が会社に復讐するためセコイ横領を企てる……てんやわんやのサラリーマン新喜劇in USA。
(1998年米、監督・脚本:マイク・ジャッジ、出演:ロン・リビングストン、ジェニファー・アニストン、アジェイ・ナイデュ、デヴィッド・ハーマン、スティーブン・ルート、ゲイリー・コール)
車が渋滞して進まないので少しマシな隣車線に移ったら、とたん今度はそっちが止まり元の車線が流れはじめる。ドアノブの静電気にびびり、レポートに表紙をつけなかったとねちねち怒られ、コピー機はお約束どおりに紙づまりする。冒頭から、マーフィーの法則サラリーマン川柳にでてきそうな、身につまされる安いギャグの連発。安い、安い、安っぽい。一昔前の邦画にこんなのたくさんあったような懐かしさ。もしかしてかなり低予算なのか。
でも逆にそういうちまちました世界観こそがイイのだ。3人組の企みもセコイきゃ破綻する事情もアホらしく、そこで、馬鹿にすんな!と怒るか、面白いと思えるかが、この映画の評価の分かれ目。
監督の本業はアニメ・クリエーター。出世作はTVアニメ『ビーバス & バットヘッド』ビーバス&バットヘッド?DO AMERICA?【劇場版】 [DVD]。あーこの絵ねー。『キング・オブ・ザ・ヒル』も製作と作画を担当しているそうで。なるほどなるほど。
ふんっ、と鼻で笑えるコメディ。意外と傑作かもしれん。