福田長官辞任

記者におもねない物言いが好きでしたねえ。
「ん〜、それは○○○○なんでしょ?」
記者の質疑に対して語尾をあげぎみにそっけなく応えるとこ、ちゃかちゃかと早口なとこ、たまに鼻でおちゃめに笑うとこ、滋養のあるもん食べてなさそうなとこ、etc。そういえば、質問に質問で返す反則技が得意でしたっけ。
彼以前の官房長官が誰でどんな人だったかという記憶がまったくないんですよ。その存在感は在位が過去最長というだけでは説明できない、人望でしょうかサラブレッドな血筋のなせるわざでしょうか。飄々としたなかに、「けじめ」という退位表明の言葉にふさわしいストイックさを漂わせた永田町の珍種であったように思います(実際はどうだか知りません、あくまで印象)。なにか事があるたびにこの人がどう記者連中をあしらうのか、かなり楽しみで。もうしばらく見られないと思うと残念です。

さて辞任表明の発端となった議員の年金不払問題ですが、
福田長官に限らず払っていない議員が何人もいたということには、意外性もなければ、個人的にはとくに腹をたててもおりません。だって議員には議員年金たらなんたら言う別立てのかなり潤沢な資金を後ろ盾にした確実な年金が用意されているんですよね? 国民年金の予実管理なんてのは、瀬戸大橋や東京湾アクアラインでお得意の取らぬ狸+どんぶり勘定ですけん。丈夫などんぶりを確保していながら、ひびの入ったどんぶりに自分の血銭を出すかっていうと、ねえ。割れる(破綻する)確立高すぎですもん、そんなんすんのアホだけですって。ゆえに払ってない議員は賢い議員。仕組みをきちんと理解して計算のできる議員さんが払わないのは人間としてとてもナチュラルな行動だったという気がします(あるいは議員妻の内助の功)。
それでもすまなかったと思うのならばとりあえず未納分を全納すれば済む話かと。え?それでは落とし前がつかないと。そうですか、そんなに心底から反省をしてきちっとわびを入れたいのなら、議員年金制度を廃止して公的年金に一本化すりゃいい。いっそのこと国民年金を任意にしちゃう。そのうえで国民がこぞって加入窓口に群がるような魅力のあるシステムにしてくれりゃもう恩の字です。