藤田雅矢著『星の綿毛』

オアシスのようなムラの少年ニジタマが交易人ツキカゲに連れられ憧れの地トシへと向かうが…植物に造詣の深い著者ならではの、世界の発芽と収穫を綴った長編抒情SF。
人と植物の融合という世界観がすばらしい。最近ブームの多肉植物にこんな利用法があったのか(?)。ラストシーンなどとてもリリック、文も巧い。日本のSF界にはこういう旗手がたくさん隠れていたのだね。惜しむらくは日本のSF界は読者層が薄いこと。つまり読者が少ない。