本日のよろこびごと。(356)


タイトルで ダマされるなよ ハーレクインだ(喜)
今日は先日NHK-BSでみた映画の感想。

14世紀、100年戦争時代のフランスへ、タイムトラベルの結果取り残されてしまった老考古学者を助けに赴く、冒険SF。原作はマイケル・クライトン
えっと、これはね、期待してみちゃ絶対にダメ(笑)。自分はTV放映でみたから楽しめたけど、レンタルしてたら「金に見合うほどではないなぁ」とがっくりきたかもしんないわ。要はなにを期待するかなんだよね。マイケル・クライトン、タイムトラベルと来りゃ、緻密な科学的裏付け、ハラハラドキドキのパニック要素、そしてタイムパラドックスへのアッと驚く解だったりする。
例えば、戦国時代へのタイムスリップ物で思い浮かぶのに、『戦国自衛隊』って怪作がある。未来の知恵と戦闘能力を保持したまま、秩序立った行動で歴史へ介入する側と阻止する側の攻防みたいなやつがね。ところがどっこい、これはぜんぜん違います。とにかく登場人物の行動がいきあたりばったり、すぐに帰りたがったり、仲間割れしたり。おめーら、本当に科学者か? 秩序っちゅーもんはねーのか? それでも未来人か?と呆気にとられることしばし。
行方不明になった老考古学者を助けに過去へ旅立つメンツは7名(たぶん。もしかしたらもっといたかも)。
彼の息子…あわあわ、ぎゃーぎゃーの役立たずの臨場感要員(いちおう主役)
仲間の考古学者男女…女は息子の相手役、男はヒーロー要員
戦闘員3人…3人ともタイムスリップ経験者、内1人が腹にイチモツ
通訳1人…おどおど青年
意味ありげに送り込まれたメンバーが思いもよらぬ活躍で一発逆転とかすんのかと思えば、「ええっ、ここで死ぬの?」的に退場し、現代の英知を活用せぬまま、走る捕まる逃げるハグれる戦うキスする、みたいな。未来仲間は次々と無駄死にしてゆき、そのころ未来でも仲間割れが…ええっ、そんなあっさりがここでも!?と、話の運びはきわめて安易。
それでもアタシが楽しめたのは中世ヨーロッパを舞台にしたお約束、そう、お姫様とのロマンスがあったからなんですわ。主役二人の恋愛はどーでもイイ。それよりお姫さまと、彼女に一目ぼれしちゃうヒーローの爽やかさ、これにつきます。こっちの二人は、ちゃんとビジュアルも萌えやすくできてるし。いちいちかっこよくて、かわいらしい、ジェラルド・バトラー目当てで見る価値ありです。
知的SFとしてみると隙だらけでゲンナリするが、中世のハーレクインロマンスの行方に視点を置いてみればそれなりに楽しめます。