ドラマ『長生き競争』


小学時代の友人6人(宇津井健草笛光子北村総一朗小松政夫勝部演之津川雅彦)が浦安で再会し、「誰が一番長生きするか」賭けをする。そんなとき、ウツイの一人暮らしのマンションに縁もゆかりもない石原さとみが強引に居候しはじめ…というヒューマンドラマ(?)
とんでもない名作か、とんでもない駄作か? ともかくこんなにもヒトがポコポコ死ぬドラマは初めてでした。放送時間2時間で正味は1時間半ぐらいだというに、お茶をとりにテレビから目を離している隙に主要キャラがぽっくり逝っていて、葬式のシーンになっている。
「あら、展開が早いわねぇ」
と切り替えをする暇もなく、さらにまた一人、んで葬式シーン。参列者も一人ずつ減ってゆく。
6人のインディアン人形などはどこにもなかったはずなのに、6人の老人が次々と逝き、最後には誰もいなくなって石原さとみが賭け金をせしめて高笑いする、のかと思いきや…
あ、そうそう、
さとみも「誰が一番長生きするか」の賭けに参加するのだよ。そんなのお前が一人勝ちに決まってるだろう!って思うやん。ところが彼女は子宮ガンで余命半年を宣告されていると告白を。
「これが病院の診断書です」
ええーっ!!
でもちょっと落ち着け、オレ。コレはドラマなのだ。だからきっと一捻り二捻りあるはず。そうだ、石原さとみは稀代の詐欺師なのだ。そーいうのを匂わせる伏線もあったもの。元BF(城田優、ハンサム!)に「あいつはとんでもない嘘つきですよ!」と言われ、なにより余命半年のくせにあいつは不自然なほど元気はつらつだ。さとみがウツイ宅に入り込んだのだって、留守中に鍵が開いてたから勝手に入り込んで勝手に台所でなにか作ったりしていたという不自然さ。さては金目当てだな!と疑って当然だろー。
ところがそんなアタシの歪んだ心をあざ笑うかのように、さとみがいきなり病院へ運ばれ、えっ、ええっ、といううちに個室入院。酸素吸入器みたいなのをつけられ末期のご様子に展開が速すぎてついていけないっ! 本当に前後にそれらしい伏線もなく、展開があまりにも唐突なんで話についていくのがきつい。
そして今わの際に、
「アタシたちは運命の相手なの。きっと時間を間違えてずれて生まれてきてしまったの。生まれ変わったらこんどこそ」
とウツイに言い残して死んでゆく。えええーっ!
と驚きながらもちょっと感動し、己の邪推を恥ずかしく思うのであった。
という心の整理も付かないうちにウツイも「俺もガンでさ」、ええっ、で、えええっ、なにも散歩の途中にそんな郷土史資料館の傍らでいきなり逝かずとも!
最初から最後までジェットコースターな「早死に競争」なのでした。あ、「長生き競争か」
さて問題。生き残ったのは誰でしょう?